2024年12月22日( 日 )

【都議選2021】“仮病”入院濃厚の小池都知事が選挙活動開始 国政転身みすえスガリンピックを後押し

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■仮病入院の「たぬき寝入り」で支持率アップねらう

 入院中に直系候補(平けいしょう候補)に激励コメントを送っていた“仮病入院”濃厚の小池百合子・東京都知事が都議選最終日の7月3日、「都民ファーストの会」(都民ファ)候補応援の選挙活動を開始した。午前10時半には荒木千春代表(定数3の中野選挙区)の事務所を訪れて涙くんだ後、一緒に街宣車に並んだ。マイクを握った応援演説はなかったが、街宣後に荒木代表が「声絶え絶えに命がけの応援をいただいた。知事の応援は大きい」と語り、「最後まで頑張るのよ。絶対に勝てる」という小池知事の肉声も紹介した。

 先日の7月2日の退院後初の定例会見で「倒れても本望」と語って、まるで都民のために奮闘する中で過労入院、退院後もコロナ対策や五輪対応に全力を尽くすかのようにアピールしていた小池知事。

 しかし、「メデイア・コントロールの天才」に騙されてはいけない。本サイトの記事(2021年07月01日 “小池静養劇場”のシナリオとは? )で紹介してきた通り、小池知事は都医師会の意見書(五輪中止の検討を要請)を無視するなど都民の命を守る職責を放棄、五輪強行に異論を唱える尾崎治夫・都医師会会長を叱責するなど“菅五輪”(スガリンピック)ゴリ押しで足並みをそろえてきた。

 五輪開催による感染拡大から都民を守る肝心な仕事をせずに「過労」を理由に入院するのは「たぬき寝入り」にしか見えなかったが、一方、都医師会の五輪意見書を無視するなどの職務怠慢ぶりを問題視するメデイアも皆無。退院後初の7月2日の都知事会見でも、都議選対策にかまけた“仮病入院説”について聞く記者はゼロ。そこで、質問者として指されない“記者排除”への抗議も兼ねて、会見終了直後、小池知事に向かって大声を張り上げたのだ。

 「仮病入院だったのではないですか。病院で選挙対策をやっていたでしょう、都議選対策。告示日(6月25日)に平さん(候補)に激励コメントを送っていたじゃないですか。都民の命は二の次、選挙ファーストではないですか。都医師会の五輪中止要請文(意見書)は出さないのですか。職務怠慢ではないですか。国政転身で、(“菅五輪”協力で)菅さんに恩を売るのが目的ではないですか。仮病ではないですか」

 しかし小池知事は一言も発することなく、会見場から立ち去った。

■都民の命は二の次~職務怠慢で世論誘導に没頭

 “小池静養劇場”は三部構成。告示3日前に始まった第一幕では、かすれた声でメディアに登場した直後に過労入院。同情を買って都民ファ支持率アップとほくそ笑みながら、病室で直系候補に激励コメントを送る選挙対策に精を出した。

 第二幕は、退院後の7月2日の“病み上がり”会見で再びメデイアに登場、「倒れても本望」とか細い声で語った。同情票のさらなる上乗せが期待できるのは言うまでもない。そして第三幕が最終日の“病み上がり支援”。涙ぐむ姿も見せながら命がけで都民ファ候補を回っていくというものだ。「緑のたぬき」の異名を持つ小池知事は瞬間変身芸が得意だが、今回は過労入院をしていた病人から突如、直系候補を命がけで応援する「選挙のプロ」へと豹変したのだ。

 このドラマチックな都知事動向をメディアが実況中継、「倒れても本望」という名セリフを口にしながら有権者の同情票掘り起こしをしたように見える。主演女優賞級の名演技ではないか。 

 小池知事は、不都合な真実から目をそらす「世論誘導の魔術師(天才)」でもある。東京都のコロナ陽性者が感染爆発(ステージ4)レベルになっても小池知事は、五輪中止検討要請をする都医師会の意見書を菅首相につきつけることをしていないからだ。都民の命を守る都知事の職務を全うするには、尾崎会長と一緒に官邸に乗り込み、「感染爆発状態なら五輪中止を検討すべき」と申し入れていないといけない。自らの職務怠慢を棚に上げて、都民のために奮闘していることを印象づける世論操作に励んでいるといえるのだ。

 “小池静養劇場”で主演女優賞級の名演技を披露した小池知事に、都民が騙(だま)されるのか、それとも冷めた目で見るのか。このことが都議選を大きく左右しそうだが、明日の投開票結果から目が離せない。

【ジャーナリスト/横田 一】

註1)小池知事の荒木代表応援の写真は、フリージャーナリストの湊日和氏の提供。
註2)7月2日の小池知事会見直後の声掛け質問と告示日の平候補直撃の動画は、「日仏共同テレビ局フランス10」で2本とも公開。

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