バイオマス発電燃料のパーム油、インドネシア政府がアブラヤシ農園の新規許可を延期
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アブラヤシ農園許可延期の大統領令を発令
インドネシアでは2018年9月19日、バイオマス発電の燃料となるパーム油の原料であるアブラヤシの農園の新規申請に関する許可延期の大統領令が発令された。この大統領令は、発令後3年以内に実施されるとしている。
この大統領令は、アブラヤシ農園の持続可能な管理の向上、法的確実性の提供、温室効果ガス(CO2)排出量の削減を含む環境の持続可能性の維持、アブラヤシ農園の開発の進歩による生産性の向上を目的として、環境林業省などの各大臣、州知事、市長などに指示したものだ。
インドネシアは世界1位のパーム油生産国で、約55%のシェアを占める。インドネシアでは、森林地域は国有であるため所有の権利が認められておらず、森林地域をアブラヤシ農園(プランテーション)として開発するためには、「森林地域の開放」や「森林地域の交換」の法制度により、土地の条件を変える必要がある。
大統領令によると、環境林業省により、アブラヤシ農園開発における下記の申請において、森林地域の開放や森林地域の交換が延期される。
・新しい申請(これから提出されるもの)。
・提出されたが要件を完了していない、または要件を満たしているが生産性の高い森林地域における申請(植林地域を除く)。
・原則として承認を受けているが、まだ境界が定められていない、生産性の高い森林地域における申請(植林地域を除く)。また、州知事または市長が与える、森林地域(植林地域を除く)におけるアブラヤシ農園のプランテーション事業許可(Izin Usaha Perkebunan)や用地許可(Izin Lokasi)の新規発行が延期される。
インドネシアでは、アブラヤシ農園開発を行うにあたり、農地・空間計画省/国土庁から作物栽培⽤地のための事業権(HGU、栽培許可)を取得することが必要となっている。
また、すべてのアブラヤシ農園で「インドネシアの持続可能なパーム油(ISPO)」の基準(※)を適用することや、主に地域住民が管理する「コミュニティ農園」として農園面積の20%を開発することが法律で定められている。
【石井 ゆかり】
※:(1)法令の遵守、(2)農業生産工程管理(GAP)、(3)生活環境・自然資源・生物多様性の管理、(4)労働者に対する責任、(5)社会的責任とコミュニティ経済の強化、(6)透明性、(7)事業持続性の向上を原則とする。
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