本命は?~候補者乱立の横浜市長選(後)
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小此木氏と江田氏の説明に食い違いも
「どういうふうに言っていたのか」と聞くと、小此木氏は両家の関係についても語り始めた。
「これはね、内輪の話になりますが、私にとっての祖父、あるいは(藤木)会長にとっての御父上の名前を挙げて、『これは時代の絆を思い出すな』と。私は自分の祖父も知らないが、そういったことを言った」。
「(藤木氏の支援についての問いに対して)それは微妙だね。さっきの祖父の兄弟のような関係で思い出したと。ただ『おまえ、すごい決断をしたな。これからが大変だから頑張れ』と。血はつながっていないのですが、親父が亡くなってからは(藤木さんは)父親代わりのような存在であったので、そういう何か肉親ではないといえないような(言葉だと)受けました、僕はね」。
ここで確認の意味で「『頑張れ』ということは『支援する』ということなのか」と再質問すると、小此木氏はこう答えた。
「そういうことだと思う。厳しい道かもしれないが、多分、おまえの決断は尊重するということだと思う」。
しかし藤木氏は、野党系候補を応援することもすでに述べていた。山中氏の出馬会見でも、江田代表代行が藤木氏からの支援を取り付けたことも次のように述べた。
「(山中氏は)今、各種関係団体の皆さまにご挨拶、説明回りをしていまして、ある意味、カジノ反対派の象徴的存在であります藤木幸夫会長。藤木企業の会長であり、藤木会長とは私は何度も面談をしておりまして、会長からは『全面的に山中竹春さんを支援する。ミナトも全面的に支援する』というお言葉をいただいております。大変心強い限りでございます」。
「(藤木会長との面談は6月28日)月曜日の朝、1時間くらいゆっくりお話をし、小此木八郎さんの出馬表明があったが、まったく微動だにされておらず、全面的に山中さんを応援するとおっしゃっている」。
しかし、江田氏の説明と先の小此木氏の発言には食い違いがあった。そこで「小此木さんに聞くと、『藤木さんから“頑張れ”と言われた』ということなのだが、山中さんだけを全面支援なのか、両方を全面支援なのか。『小此木さんは支援しない』と藤木さんは言ったのか」と聞くと、江田氏は次のように答えた。
「山中さんだけを全面支援だ。はっきりしているのは昨日(6月28日)、一時間話し、『全面支援をする』という方針はまったく変わっていないし、『来週には港の関係の役員を集めるからぜひ山中さんを連れてきてくれ』ということで、『そこで正式決定をし、7月には何百人規模で、ロイヤルホール横浜で決起大会を開く』(と聞いている)。どこに小此木さんを応援する余地があるのか」。
小此木氏の発言と江田氏の説明は食い違ったままだったが、今後、藤木氏がどちら(あるいは両方)を支援するのかが注目される。横浜市長選の結果を左右する主要因の1つであるのは間違いないからだ。
なお、7月8日に出馬会見をした田中康夫氏も、サンデー毎日の藤木氏インタビュー記事を配布。長年にわたって付き合っていると述べたが、藤木氏からの支援取り付けの有無についてはコメントを避けた。
(了)
【ジャーナリスト/横田 一】
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