2024年12月22日( 日 )

老化は確実に進む(11)老化は極まり劣化に転ずる~稚劣、事なかれ主義横行で終わり

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自分勝手、リスクは回避

夜明け ぃメージ 山口FGの地方支店長が、筆者のところに相談に来る。「我々、末端の支店長のところには、山口FGの今回の人事抗争の説明情報がまったく流れてこず、どうして吉村会長が代表権を失ったのかさっぱりわかりません。教えてください」と低姿勢で懇願する。6月25日の山口FG株主総会から1週間経ったころのことである。支店長クラスでも情報の蚊帳の外。各銀行は山口FGの子会社となっており、その出先である支店にいちいち説明する義務はない。

 多少の予備知識を入れてあげたが、すべて教える義理もない。その後、『I・B』にて「山口フィナンシャルグループ」特集号を組んだ。支店長を呼んで、「情報に疎遠であるから、行員の皆さんは不安でしょう。各支店長の方々に『I・B』を渡してください」と20部を渡そうとした。すると支店長は「いえいえ、そんなことをする勇気はありません。私だけで十分ですから1部で結構です」と1部だけ受け取り、そそくさと帰っていった。

自民党末端組織の「ことなかれ主義」

 次の衆議院選挙へ向けた党公認候補選びが進んでいる。自民党は、各小選挙区で党公認をめぐって対立が激しくなる様相である。山口3区で現職の自民党議員・河村建夫氏に対抗して、参議院議員・林芳正氏が無所属ででも立候補する姿勢を見せており、15日に記者会見を行う。福岡5区では、自民党現職の原田義昭氏に対して、県議会議員・栗原渉氏が公認争いに挑んでいる。自民党として、公認争いが起こるのは、党の組織活性化につながるというメリットがある。

 ところが長崎1区では、当初、自民党公認を内定していた人物がいたところに安倍晋三前首相が割って入り、「政策秘書を担ってくれた初村氏を公認に」と迫ったところ、「大物の安倍氏には逆らえない」と自民党が追随したと報じられている。今度の衆議院選挙の結果次第では、安倍氏が政治力を失う可能性があることを予測できないのかと思う。「長いものには巻かれよ主義」がまん延する政党には、明日はないであろう。党公認を勝ち取る合戦を行わずして、組織の活性化は図れない。

反発の姿勢をとうとう示し始めた飲食店業界

 これまで従順であった飲食店業界も、経済再生担当大臣・西村康稔氏の高飛車的な姿勢にはさすがに反対の意思を表明し、行動すべく繰り出した。西村氏は「飲食店での会食はコロナ感染の巣である。この巣を放置しているところには、酒販業界は酒の供給をしてはいけない!!金融機関も融資をしてはいけない」という発言とともに、行政機関に根回しをしていたという。さすがに西村氏の権力者として粗雑な姿勢には、誰もが反発し、危機感を覚える。前回で触れたように「自身の生存権」を発動することは重要である。もっとも、この意識を定着できるかが、肝心である。

 11回にわたって「老化は確実に進む」シリーズを記してきた。コロナ蔓延で日本人の意識の変化も見られる。しかし、総評を述べるとすると、「日本の老化は加速するばかりで、日本丸の沈没を食い止めることは不可能」となる。富裕層から日本脱出が始まることは間違いない。

(了)

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