【再掲】2050年代を見据えた福岡のグランドデザイン構想(51)~環状道路とネットワーク整備構想(前)
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C&C21研究会 理事 下川 弘 氏
本連載ではこれまで、現状の福岡空港の問題、新福岡空港を海上に設置する構想、そして福岡空港が移転した場合の跡地活用の構想を展開してきた。今回からは、福岡市の交通インフラ整備拡大について論を展開していきたい。
「すべての道はローマに通ず」ということわざがある。本来の意味は、「出発点や手段は違っていても目的が同じなら、同じ場所や結論に達する」「真理は1つである」ことのたとえであるが、都市計画を進めていくうえで、道路ネットワークは非常に重要だ。
とくに、都市を取り巻くかたちの環状道路が担うべき役割は、都市の発展と都市機能の強化に大きく関わってくる。
東京工業大学・屋井鉄雄教授によると、環状道路の機能には、(1)交通迂回機能(交通円滑化、大気環境改善など)、(2)都心負荷軽減機能(都心の交通抑制、都心再生など)、(3)分散立地促進機能(物流機能、パーク&ライド施設など)、(4)沿線都市直結機能――の4つがあるとされている。
これら4つの機能のなかでも、とくに交通迂回機能や都心負荷軽減機能の効果については、一般の人々でも納得しやすいと思われる。
下記は、パリ・ロンドン・北京・ソウルの4都市の環状道路の簡易図。ここで注目したいのは各国の整備率である。パリの87%以外は、どの都市も整備率100%となっている。つまり、これらの都市では上記4つの機能がいかに充実していて、その恩恵にあずかっているのかがわかるだろう。
(つづく)
<プロフィール>
下川 弘(しもかわ・ひろし)
1961年生まれ、福岡県出身。熊本大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程を修了後、87年4月に(株)間組(現・(株)安藤・間)に入社。建築設計第一部や技術本部、総合企画本部企画部などを経て、99年1月には九州支店営業部に配属。その後、建築営業本部やベトナム現地法人、本社土木事業本部営業部長などを経て、2020年9月から九州支店建築営業部営業部長を務める。社外では99年9月からC&C21研究会事務局長(21年8月から理事)を務めるほか、体験活動協会FEA理事、(一社)日本プロジェクト産業協議会の国土・未来プロジェクト研究会幹事、(一社)防災教育指導協会顧問など数々の要職に就いている。関連キーワード
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