2024年11月24日( 日 )

コロナ感染爆発主犯の菅義偉氏解任

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「日本のコロナ爆発は菅義偉氏が招いた「人災」。菅義偉氏の悪政を厳しく断罪することが次の衆院総選挙の最重要の課題だ」と訴えた7月29日付の記事を紹介する。

7月29日の東京都新規陽性者数が3,865人を記録した。

「いまの最大の危機は社会一般のなかで危機感が共有されていないこと」
というが、その危機感を破壊したのは菅義偉氏。

感染拡大が加速するなかで東京五輪開催を強行した。
初めから五輪開催を強行することしか考えていなかった。

「国民の命と健康が最優先」
という言葉はウソ。
ウソをついても何も感じない倫理観の持ち主。
自分の利益のためだけに五輪開催を強行した。

3月21日に緊急事態宣言を解除したのは五輪聖火リレーを開始するためだった。
6月21日に緊急事態宣言を解除したのは五輪開催を有観客にするためだった。
しかし、6月21日に、すでに人流は再拡大に転じていた。
人流が再拡大に転じるなかで緊急事態宣言を解除して感染再拡大が加速した。

感染第五波をもたらしている中核はL452R変異株。
3月にインドで確認された変異株。
直ちに水際対策強化が必要だったが菅義偉氏が対応を本格化させたのは5月1日。
「後手後手・小出し・右往左往」の菅三原則に基づくもの。

昨年3月24日に五輪開催の1年延期が決まった。
1年4カ月の時間を感染抑止に注力してきていれば事態は異なるものになっていたはず。
しかし、1年4カ月の期間、感染抑止に注力はしなかった。

逆に感染拡大を促進するGotoトラブル事業を推進した。
観光業界利権を優先した。
Gotoトラブル事業が感染拡大の主因になった。

Gotoトラブルで感染拡大を推進し、感染が爆発すると緊急事態宣言を発出する。
感染抑止が不十分なのに緊急事態宣言を解除する。
「右往左往」の繰り返し。

最重要の変異株対応が「後手後手・小出し」。
N501Y変異株、L452R変異株の国内流入をいとも簡単に許してしまった。
ワクチン対応は致命的に遅れているが、賢明な国民はワクチン接種を忌避する。

驚くべき数の接種後急死者が報告されている。
3,615万人接種時点で667人の接種後急死者が報告されている。
これ以外に5倍以上の重篤者数が報告されている。

季節性インフルエンザの接種後急死者数は2018~19年の場合、3名。
新型コロナワクチン接種後の急死者、重篤者が驚くほど多い。
このようなワクチンを警告なしに推奨する行為は犯罪的。
重大な薬害問題に発展する可能性が極めて高い。

ワクチンは切り札にならない。
新規陽性者の一定部分が要入院となる。
さらに重篤化する人も発生する。

現在のペースで感染拡大が続けば医療がひっ迫することは間違いない。
医療崩壊が生じ、助かる命を救えない事態が発生し得る。
緊急事態宣言が発出されたが人流は抑制されていない。
人流が拡大し続けている。

最大の理由は菅義偉氏が五輪開催を強行したこと。
五輪を開催して人々に行動抑制を求めても受け入れられない。
五輪開催強行は行動抑制を解き放つ号砲になった。

多数の飲食店が酒類提供、深夜営業を始動させた。
十分な補償もせずに営業自粛を求めながら、五輪開催を強行し、パーティー開催を強行する菅義偉氏の姿を見て、多数の事業者が腹を括って行動抑止中止を決断した。
市民も行動抑制をやめた。

すべては菅義偉氏の自己中心主義行動の反映。
「鏡の法則」である。

菅義偉氏は感染爆発の責任で必ず辞任に追い込まれる。
実質的には日本の主権者が菅義偉氏を解任するということだ。

五輪で騒いでいる場合ではない。
日本の国民はコロナ感染拡大の現実に目を向けるべきだ。
五輪が開催され、日本選手が多数のメダルを獲得している。
そのことで五輪開催を肯定するなら、五輪開催前の慎重意見は何だったのかということになる。

スポーツ興行は3S政策に通じるもの。
大衆にスポーツ興行を提供して思考停止に陥れるのは権力の常套手段。
第2次大戦敗戦後の日本に対して米国が用いた民衆操作の技法。

政治に対する不満に目を向けさせないために国民が喜ぶ興行を実施する。
これに目をくらまされていては、政治刷新は無理。
政治のレベルは国民のレベルを超えられない。
スポーツ興行はそれなりに楽しいが、楽しいだけで大事なことを忘れては元も子もない。

物事の適正な優先順位を考えることが重要。
政府の最大の責務は国民の命と健康を守ること。
国民の命と健康を守ることが確保されたうえでのスポーツ興行だ。

命と健康の問題を最重視することは日本の主権者の自発的な判断。
スポーツ興行を見物することは好きだが、国民の命と健康が最優先。
このことから、五輪開催を延期または中止すべきだと訴えてきたのではないか。

この視点に立てば、現在の状況は危機的。
医療崩壊の一歩手前にいる。
しかし、事態は悪化の一途をたどる。
菅義偉氏の五輪開催強行の姿勢がすべての国民の行動抑制緩和の合図になった。

7月4連休に感染拡大地から全国各地への人の移動を抑制する措置は取られなかった。
観光業界利権を優先したからだ。
その結果として大都市圏の感染爆発が日本全国に波及する。

この感染爆発を放置して構わないというなら、もともとコロナ騒動は不要だった。
コロナの正体が判明した時点でコロナを第5類感染症に区分すべきだった。

しかし、菅義偉氏はコロナを重篤な感染症と位置付けてきた。
その位置付けを踏まえる限り、感染爆発下で五輪開催強行は正当化されない。

菅義偉氏と五輪組織委が繰り返してきた
「安全安心の大会」
への取り組みもウソ八百。

五輪選手がマスクもせずに大声で歓声を挙げていることも放置。
すべてが利益至上主義、自己中心主義に包まれている。

残念ながらこれが日本の現実。
利権五輪のスポーツ興行に目をくらまされず、菅義偉氏のウソ八百の罪を厳正に問う必要がある。

日本のコロナ爆発は菅義偉氏が招いた「人災」。
適正なコロナ対策を講じなければ救える命が失われることになる。

懸命に努力を重ねて高みに迫る人間はスポーツ以外の分野にも多数存在する。
スポーツ自体も大半が営利の営みになっている。
スポーツだけを特別待遇する正当な理由も存在しない。

衆院総選挙が迫っている。
菅義偉氏が示した政治の行為に正当性はまったく存在しない。
その悪政を厳しく断罪することが次の衆院総選挙の最重要の課題。
日本の国民が冷静でバランスの取れた判断を示すことができなければ、この国の窮状を打破することはできない。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

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