【横浜市長選】藤木会長「私と菅の喧嘩」「菅は辞めろ」
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菅政権の命運を左右すると注目された横浜市長選挙が22日に投開票され、実質的な野党統一候補の元横浜市立大学教授の山中竹春候補(立民推薦、共産・社民支援)が、菅義偉首相(神奈川2区=横浜市西区・南区・港南区)が全面支援した“盟友”の小此木八郎・前国家公安委員長や現職の林文子市長らを破って初当選をした。
全力投球をした菅首相にとっては、無残な返り討ちにあって深手を負った形だ。何しろ自民党市議36名中30名に加えて公明党議員も支援する自公推薦に近い盤石の態勢で臨んだのに、知名度でも政党基礎票でも劣る山中氏に抜き去られてしまったのだ。
自民党関係者は、小此木氏が苦戦する厳しい情勢に関して、「コロナ感染者が増えると、内閣支持率が下がる傾向があるが、まさに感染拡大時期と重なり、市長選を直撃してしまった」と頭を抱えていた。全面支援の菅首相の不人気ぶりが小此木氏を直撃、追い風になるどころか逆風になってしまったのだ。
小此木氏が野党系候補に大差で敗れたことで、「菅首相では選挙は戦えない」との烙印が押され、“菅降ろし”が週明けから本格化するのは必至となった。
投開票日前日には石破茂・元幹事長が2度目の小此木氏の応援演説に入ったが、焼け石に水でしかなかった。マイク収めをした小此木氏に「菅さんの不人気がマイナスになったのではないか」と聞くと、「僕は、なるべく、そういうことを言わないようにしているから」との答えが返ってきた。別の記者が「この選挙期間中にコロナが感染拡大したことが今回の選挙に影響を与えたと感じたのか」と聞くと、小此木氏は「否定はできないと思う」と答えた。
そこで私が「菅さんが五輪中止をしていたら少しは(横浜市長選の)情勢は良かったのではないか」「小此木さんが菅さんに五輪中止を進言なさったと『週刊文春』の記事に出ていたが」とも聞いたが、「(菅首相に)いろいろな話をしました。進言をするのは私の役割だから」と答えるだけで菅首相を批判することはなかった。
一方、22日午後8時に当確が出た山中氏側は前日から勝利確実の高揚感に包まれていた。ハマのドンこと藤木幸夫会長が最終演説で「いろいろな要素が入った選挙。単なる市長選挙ではない。私に言わせるとね、私個人から見ると、私と菅の喧嘩なのですよ。(笑いと拍手と「いいぞ!」という掛け声)私と菅の喧嘩なのですよ。菅はね、小僧が私のところにいた」と話すと、聴衆から拍手が沸き起こった。
当確後の祝勝会にも藤木氏はかけつけて万歳をした後、あいさつで次のように述べた。「菅も今日あたり辞めるのではないのか。辞めないとしょうがないでしょう。電話がかかってきたら私は『辞めろ』と言います」と話して、会場を沸かせた。
自公推薦に近い必勝態勢で臨んだのに、菅首相の不人気が逆風となり、小此木氏は敗れた。「次は我が身」と自民党所属の衆議院議員が思わないはすがないほどの衝撃的な敗北で、”菅降ろし”および総裁選の時期をめぐる攻防が今週から始まるのは確実だ。
【ジャーナリスト/横田 一】
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