九州地銀17行の2022年3月期第1四半期決算を検証(1)
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【表1】は、九州地銀17行の2022年3月期第1四半期(6月期)の決算発表日推移表である。
昨年の第1四半期の九州地銀は18行だったが、今年は1行減って17行。ふくおかFG傘下の銀行が4行から3行になったことによる。
ふくおかFGは16年2月、十八銀行と経営統合すると発表。しかし、公正取引委員会は、傘下行に親和銀行をもつふくおかFGが十八銀行と経営統合すると、長崎県内の融資シェアが寡占的になるとして、「懸念が解消される措置をとるよう」求めたため、無期延期の状態が2年半続いていた。
そこで、ふくおかFGと十八銀行は貸出債権をほかの金融機関に譲渡し、シェアを下げることを決断。長崎県内に本店がある長崎銀行や支店がある西日本シティ銀行、肥後銀行、佐賀銀行などが受け入れを表明したため、ふくおかFGと十八銀行は「他行への債権譲渡により、問題視されてきたシェアの高さは緩和される」とする報告書を公取に提出した。
それが認められて、ふくおかFGと十八銀行は19年4月に経営統合。20年10月1日、親和銀行と十八銀行が合併し、「十八親和銀行」が発足、継承銀行は親和銀行となった。
今年も先陣を切ったのは昨年に続き、西日本FH(西日本シティ銀行・長崎銀行)の2行で8月2日。次は4日の佐賀共栄銀行。6日はピークで、ふくおかFG(福岡銀行・熊本銀行・十八親和銀行)の3行、山口FG傘下の北九州銀行、大分銀行、佐賀銀行の計6行だった。
10日は筑邦銀行・福岡中央銀行・南日本銀行・宮崎太陽銀行の4行。11日も九州FG(肥後銀行・鹿児島銀行)・宮崎銀行・豊和銀行の4行だった。これで第1四半期の決算が出そろった。新型コロナウイルス感染拡大の影響が懸念されたが、結果的には昨年よりも1日前倒しの日程となった。
19年3月期第1四半期(18年6月期)決算短信公表日のトップはふくおかFGで、7月31日だった。他行に先駆けて決算発表した裏には、公取に「早く承認するよう」にと催促するためのサインだったとみられる。その努力が功を奏し、公取は翌8月23日、ふくおかFGと十八銀行の経営統合を承認。発表から3年余り経った19年4月1日に経営統合をはたした。
昨年10月1日、十八銀行と親和銀行が合併し、十八親和銀行が誕生。新銀行の頭取に十八銀行の森拓二郎頭取、会長には親和銀行の吉澤俊介頭取が就任した。両行は合併後、直ちに重複する店舗の統廃合を進め、効率的で安定した経営基盤の構築に全力を尽くしているといわれる。
(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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