2024年12月24日( 火 )

九州地銀(17行)の2022年3月期 第1四半期決算を検証する (2)

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 【表1】は九州に支店がある地方銀行の金融グループ4社の22年3月期 第1四半期(21/6月期)の当期純利益順位表である。

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~この表から見えるもの~
◆当期純利益の第1位は昨年に続きふくおかFGで、前期比+4,918百万円の15,237百万円(+47.7%)。九州地銀の金融グループにおけるシェアは39.3%を占めている。
・2位は昨年3位だった西日本FHで、前期比+4,297百万円の9,678百万円(+79.9%)。シェアは25.0%。
・3位は昨年2位だった九州FGで、前期比▲170百万円の6,968百万円(-2.4%)。シェアは18.0%。
・4位は昨年と同じく北九州銀行を傘下に置く山口FGで、前期比+3,089百万円の6,899百万円(+81.1%)。シェアは17.8%となっている。
◆九州FGのみが前期比マイナスとなっているものの、ふくおかFG、西日本FH、山口FGは大幅な増益となっているのがわかる。

【表2】は九州地銀(17行)の22年3月期 第1四半期(21/6月期)の当期純利益順位表である。

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~この表から見えるもの~
◆昨年は18行だったが、ふくおかFG傘下の親和銀行と十八銀行が合併して十八親和銀行となったため、17行となっている。
◆当期純利益の第1位は昨年に続き福岡銀行で、前期比+2,789百万円の14,427百万円(+24.0%)。九州地銀17行におけるシェアは31.8%と圧倒的に高いのがわかる。
・2位は昨年3位だった西日本シティ銀行で、前期比+3,941百万円の8,630百万円(+84.0%)と大幅な増益となっている。シェアは19.0%。
・3位は昨年4位だった鹿児島銀行で、前期比+703百万円の3,888百万円(+18.1%)。
・4位は昨年2位だった肥後銀行で、前期比▲1,717百万円の3,064百万円(-35.9%)。
・5位は昨年7位だった大分銀行で、前期比+1,013百万円の2,828百万円(+55.8%)。
・6位は昨年5位だった宮崎銀行で前期比+166百万円の2,468百万円(+7.2%)。
・7位は昨年10月に合併した十八親和銀行で、前期比+450百万円の2,405百万円(+23.0%)。但し、前期の計数は十八銀行と親和銀行の計数を単純合計している。
・8位は昨年と同順位の佐賀銀行で、前期比+763百万円の2,098百万円(+57.2%)。
・9位は昨年10位だった北九州銀行で、前期比+315百万円の1,091百万円(+40.6%)。
・10位は昨年12位だった熊本銀行で、前期比+385百万円の1,079百万円(+55.5%)。
・11位は昨年と同順位の南日本銀行で、前期比▲28百万円の734百万円(-3.7%)。
・12位は昨年9位だった豊和銀行で、前期比▲323百万円の630百万円(-33.9%)。
・13位は昨年と同順位の宮崎太陽銀行で、前期比▲80百万円の427百万円(-15.8%)。
・14位は昨年16位だった佐賀共栄銀行で、前期比+258百万円の344百万円(+300.0%)と大幅な増益となっている。
・15位は2行。昨年14位だった福岡中央銀行で、前期比▲249百万円の250百万円(-49.9%)。
・昨年15位だった筑邦銀行は、前期比+57百万円の250百万円(+29.5%)。
・17位は昨年と同順位の西日本FH傘下の長崎銀行で、前期比▲4百万円の▲13百万円。九州地銀17行のうち、同行だけがマイナスとなっている。

<まとめ>
コロナウイルス禍や日銀のマイナス金利政策が続くなか、九州地銀17行のうち、当期純利益がマイナスは長崎銀行だけとなっている。ただ、プラスの16行のうち、前期比プラスは11行で前期比マイナス5行。そのうち、4行は第二地銀が占めており、第二地銀は厳しい経営状況にあるのが読み取れる。

(つづく)
【㈱データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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