突然の社長交代 五洋食品産業に何が起きているのか(5)
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五洋食品産業の不可解な代表交代について報じてきた。業績が好調であるにもかかわらず、なぜ大株主であるファンドは経営トップの交代が必要だったのか。当事者である崎原正吾新社長に話を聞いた。
――早速ですが、今回の社長交代の経緯について聞かせてください。
崎原新社長(以下、崎原) 先日の株主総会で、大株主のIE、FPの2社の代表が来られて、修正動議のなかで2人(舛田氏、藤永氏)の選任が否決されたことは、ご存じだと思います。そうなった理由を一言でいえば、コミュニケーションがうまく取れていなかったということです。前代表の舛田氏や藤永氏を含めた経営陣と株主であるファンドとのコミュニケーションです。お話しできるところ、できないところがあるため、表現が難しいのですが・・・。
――修正動議が出た瞬間は、どう思われましたか。
崎原 その瞬間は「こういうかたちなのか」と驚きました。コミュニケーションの問題としかいえないのですが、株主の意向が何か示されるのだろう、という予兆は感じていました。舛田氏を含めて役員は皆、株主から何かしらの意見が出ると感じていたと思います。役員の誰が残り、誰が外れる、もしくは全員が外れるとか、いろいろなパターンを想定していたなかで、こういうかたちなのかと。
――なぜ当初案とも修正案とも違う役員構成になったのでしょうか。
崎原 修正案には藤永氏が入っており、その後の採決で否決されるのですが、その理由はわからないですね。IE代表の佐野氏と、FP代表の古川氏が手を挙げれば、それで過半数となり可決されます。記事に書かれていたような質疑応答の後、舛田氏が淡々と進めて、挙手により役員が決まっていきました。社外取締役の前田氏は、リモートで参加していたため、質疑応答のときに発言が難しかったからだと思いますが、選ばれた役員が一言ずつ話すタイミングで辞職する旨の発言をしました。
――その後の取締役会で社長は、どのようにして決まったのでしょうか。
崎原 新しく役員になった弁護士の星野氏から「自薦でも他薦でもいいので、もともといる役員の方で決めてください」との話がありました。星野氏自身は「あくまで社外で」というスタンスでした。そこで私が社長に立候補しました。それぞれの役員の方の意見を聞き、ぜひなってほしいとまではいきませんでしたが、頑張ってほしいという同意をいただいたため、私がやってみようと。株主総会当日の、この状況は過渡期であるのは間違いないと思っていましたし、役員といえども実務を担っている人ばかりで、私も営業を担っているのですが、このタイミングでは私がベストなのではと思いました。業績は好調ですし、得意先に安心してもらえるような説明も、営業の私からお話しさせていただくのが良いのだろうと思いました。
――実際に取引先には、どのように説明されていますか。
崎原 なぜ社長が変わったのかと聞かれますが、今までお話しした通りの内容でしか、ご説明はできていません。ただ、業績不振や何かの不祥事などではないため、そこだけはご理解いただきたいと、各社氏にはご説明しています。
(つづく)
【緒方 克美】
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