突然の社長交代 五洋食品産業に何が起きているのか(7)
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前回に引き続き、崎原正吾新社長へのインタビューである。
――今の社長という立場(ファンドが大株主)をどう思われますか。
崎原 不安定な立場ではあると思います。今のファンドが株式を売却した場合、株主さんは代わりますし、いわゆる雇われ社長的な立場なので。ただIEやFPには5~6年前から出資をしていただいて、50%以上の株式をもたれていたわけです。そういう状況というのは、私も理解していましたし、そうしたリスクも重々承知の上で今回、代表を引き受けましたので。あとはやれることを一生懸命やりながら、社員の成長を促し、会社として全体的に大きくなればと思っています。株主がどうあろうと、会社の成長、社員の成長が一番大切だと思います。
――少数株主には「舛田さんだから出資した」との声もありますが・・・。
崎原 株主さんもですが、仕入先やお得意先にもそうした声があるのは知っています。やはり古くからお付き合いがあるところ、舛田氏が営業や前線で仕事をやっていたころからのお付き合いの方の驚きは、他より大きかったでしょう。この先どうなるのかと不安を抱えていらっしゃる部分はあるかと思います。ご説明が難しいのですが、舛田氏は株主でもありますし、我々とまったく関りがないかというと、そうではないんです。EXITの話があったかと思いますが、そのなかで(会社の支配権が)実際どうなっていくのかというのは、我々も分からないですし、戻ってくる可能性もあるんですね。
――もし舛田氏が戻ってきたら崎原社長の立場はどうなりますか。
崎原 私はなにか舛田氏と関係性が悪くなったわけでもないですし、尊敬もしています。今まで本当に、実質創業者としてここまで引っ張ってきてもらったところもあるので。もし戻って代表やっていただけるんであれば、いいんじゃないかなと思います。私は今も営業の責任者としてやっている部分もあって、そちらにもう少し重きが置けるかなと思いますし。本来なら今は営業的なところに力を注ぐべきなんですが、この状況で代表を引き受けてしまったので、他の営業の社員とかに迷惑をかけてしまっているんですね。だから舛田氏が戻るようなことがあれば、元のかたちに戻るだけかな、と思います。
――今回のファンドのやり方は強引だと思いませんか。
崎原 苦しいときに助けてもらいましたし、もともと出資していただいたときの期待に沿えなかったところは申し訳なかったと思います。そうしたなかで、ファンドには出資者もおられますので、傍から見ると「やりすぎだ」と思われる部分はあるのでしょうが、今までの経緯を考えると致し方なかった部分もあるかな、と思います。ですから恨みとかはないです。5~6年守ってもらったり助けていただいた部分もあるので、最後に恩返しではないですが、変なかたちで別れたくないな、というのが率直な思いとしてありますね。
(つづく)
【緒方 克美】
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