フェイクニュースの次はフェイクフーズの時代か
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」の記事を紹介する。今回は、2021年10月1日付の記事を紹介する。
世の中、何が本当かわからなくなるほど、新たなフェイクニュースが手を変え品を変え現れては消えていきます。新型コロナウイルスに関しても、自然界から発生したものなのか、それとも生物化学兵器として開発されていたものが流出したものなのか、諸説紛々で、いまだにはっきりしません。
感染予防の切り札とされるワクチンに関しても、副反応や既往症を悪化させるリスクがあるとの指摘も後を絶ちません。アメリカではファイザーの元副社長を筆頭に医療従事者といわれる人々が、内部告発的な情報をSNS上で次々と拡散させています。
最近では、3回目のブースター接種を勧めるバイデン大統領がメディアを通じて自身がワクチン接種をする映像を流しましたが、「あれはフェイク映像だ」という「反ワクチン派」からのメッセージが飛び交うありさまです。
そうした背景もあり、中国とアメリカでは新型コロナウイルスの発生源をめぐる争いが、経済制裁に発展し、新冷戦と呼ばれるまでに緊張関係が高まっています。トランプ前大統領がはやらせた「武漢ウイルス」や「チャイナ・ウイルス」という言葉も相まって、アメリカ人の脳裏には「中国=危険」という発想が埋め込まれたようです。
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表示方法を周知~消費者庁もともと、習近平氏とは副大統領のころから親密な関係を築き上げ、息子のハンター・バイデン氏も中国ビジネスに深く関わっていたバイデン大統領ですが、対中強硬姿勢を見せなければ支持が得られない状況に追い込まれています。バイデン大統領の呼びかけで始まったQuadやAUKUSという同盟国の連携組織も、実態は「中国包囲網」にほかなりません。
残念ながら、こうした言葉のミサイルの応酬が続けば、何かのきっかけで戦争が現実化する可能性も出てくると思われます。今月出版されたワシントンポスト紙の看板記者による著作物のなかでも、ミリー統合参謀本部議長の言葉を引用するかたちで、「トランプ大統領が中国への核ミサイル攻撃を命じる可能性があった。しかし、それは何とか阻止できた」とのことですが、どこまでが真実だったのか、トランプ氏は全面否定しています。
要は、世論を味方につけるため、各国政府も指導者たちも自分たちに都合の良いようなかたちにニュースを加工して流すことが当たり前になっているわけです。よほど注意していても、ニュースの真偽を見極めるのは至難の業となってきました。
ところが、それと同時進行で加速しているのが「フェイクフーズ」です。見た目も味わいも本物の牛肉や豚肉と同じような、大豆などを原料にしたフェイクフーズが市場に広く出回るようになっています。
アメリカではマクドナルドやケンタッキー・フライド・チキンまで、そうした穀物や植物を加工したお肉のようなフェイクフーズを提供するようになってきました。スーパーマーケットでも「ビヨンド・ミート」や「インポッシブル・フーズ」というブランド名で売られており、人気を博しています。
こうしたフェイクフーズを後押ししているビル・ゲイツ氏に言わせれば、「人間が食する牛だけで、体外に排出するメタンガスは温室効果ガスの4%を占めている。地球温暖化を予防するうえでも、飼育する牛や豚の数を減らすことは欠かせない。人工肉が普及すれば、牛や豚の数を減らすことができ、環境にとってもプラスになる」とのこと。
実は、このような人工肉を製造する技術を応用して、レタスやほうれん草などサラダの材料の野菜にコロナウイルス用のワクチンを注入したGMO野菜がすでに出始めているのです。
ファイザーやモデルナのワクチンに使われているメッセンジャーRNA溶液を野菜に移植することで、日常的に感染対策が可能になると言います。「誰もが知らない間にサラダを食べることで、感染予防のワクチン接種と同じ効果を期待できるようになる」との触れ込みです。
カリフォルニア大学リバーサイド校の植物学部のジラルド教授いわく、「レタス1本で人間1人に必要なワクチンを生み出せる。レタスの葉にメッセンジャーRNA細胞が含まれているため、これを食べればワクチンを接種したのと同じ効果が期待できる」。
もちろん、レタスやほうれん草に限らず、さまざまな家庭菜園の野菜にも適用できるとのこと。ジラルド教授によれば、いくつかのほかの大学や研究機関とも共同作業を進めているため、その成果は大規模な生産農家にも恩恵をもたらすことになるとまで断言しています。中国由来の「医食同源」という言葉もありますが、まさに「食べるワクチン」が市場に間もなく登場するというわけです。
こうした動きを加速させるため、全米科学財団が50万ドルの開発予算を計上したとのニュースも流れてきました。しかも、そうしたフェイクフーズに最大の研究費を提供しているのがビル・ゲイツ氏の財団だという話もあります。そういえばビル・ゲイツ氏は、個人としては最大のアメリカの農地所有者となっています。
ということは、自らの農地で「食べるワクチン野菜」を大規模に生産することを狙っているのかもしれません。ただし、こうしたフェイクフーズの安全性については賛否両論が拮抗しているのが現実です。
繰り返しますが、真実を見分けることが難しい時代になってきたことは間違いないでしょう。これからは、ニュースもフーズもしっかり噛んで理解する努力が欠かせません。
著者:浜田和幸
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