再燃必死の甘利明氏UR疑惑
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「木岸田氏が甘利氏を自民党幹事長に起用したことで、UR疑惑が再燃し、政権運営に支障をきたしかねない」と指摘した10月2日付の記事を紹介する。
9月29日に投開票された自民党党首選で岸田文雄氏が自民党の新しい党首に選出された。
メディアは河野太郎氏の優勢を報道し続けたが結果は異なった。
河野太郎氏人気を演出した本尊は米国の日本支配勢力であると考えられる。安倍・菅内閣が賞味期限切れとなり、政権のイメージを刷新する必要が生じた。
日本支配勢力が支配下に置くマスメディアを動員して河野太郎人気を演出した。
しかし、河野太郎氏には人望が欠落していた。
日本支配勢力の全面的支援を得たものの、人望の低さから議員票を獲得できず、党首選惨敗になった。
河野太郎氏と岸田文雄氏を比較した場合、岸田文雄氏がはるかにまとも。
首相として求められる第一の資質は適正な人格。
この面で自民党は賢明な判断を示したといえる。
しかし、岸田文雄氏が党人事、組閣で失敗すれば、一気に逆風に直面することになる。
「禍福はあざなえる縄の如し」。
自民党役員人事が決着し、新内閣の布陣が伝わり始めている。
岸田氏は最重要人事で大失策を演じている。
甘利明氏の幹事長起用。
麻生派のなかで甘利明氏は岸田文雄氏支持を早期に明示した。
このことを重んじて岸田氏は甘利明氏の幹事長起用を決断したと見られる。
しかし、甘利明氏の「政治とカネ」問題がくすぶり続けている。
UR案件で甘利氏は関係者から金品を受領している。
検察当局が適正捜査を行っていれば、収賄等の疑いで甘利明氏が立件されていておかしくない事案。
甘利氏はこの問題について十分な説明責任をはたしていない。
だからこそ、幹事長起用に際しての会見でも、この問題について釈明せざるを得なかった。
野党は甘利明氏疑惑に焦点を絞って追及をする構え。
岸田文雄氏は党人事の要となる幹事長人事で重大な判断ミスを示したといえる。2002年9月の代表選で三選をはたした民主党の鳩山由紀夫氏は新しい幹事長に中野寛成氏を起用した。
代表選の論功行賞人事だと批判された。
その後、自由党との統一会派問題などもあり、鳩山代表は2002年12月に代表辞任に追い込まれた。
私は鳩山氏が代表辞任を表明した日の夜、鳩山氏と会食した経験を有する。
私は代表を辞任して出直しを図ることが適正であると考えた。
岸田文雄氏は安倍・菅内閣が国民からどのような批判を浴びてきたのかを理解していないように見える。
安倍・菅政治の最大の問題は政治の私物化。
そして、刑事司法の不正支配によって重大刑事事件をもみ消してきたこと。
政治の腐敗、政治の堕落が批判されてきた。下村博文氏の事案、甘利明氏の事案、安倍晋三氏の事案は、すべて刑事事件として立件されるのが適正と考えられるもの。
それが、刑事司法の不当支配によって闇に葬られてきた。
黒川弘務東京高検検事長の定年延長問題が国民世論の強い批判を集めたのは、こうした経緯を背景とするもの。
甘利明氏は疑惑に対して十分な説明をすることなく逃げ通した。
説明責任を十分にはたしていない人物を党のナンバー2ポストに起用したことが岸田氏の行く手を阻む最大の障害物になるだろう。
幹事長人事の誤りが政権の命運を左右することも考えられる。
※続きは10月2日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「政治刷新に不可欠な野党の刷新」で。
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