2024年12月23日( 月 )

れいわ山本太郎代表、新越谷駅前で街頭演説~「岸田政権打倒」呼び掛け

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山本太郎・れいわ新選組代表

 10月8日に東京8区からの出馬を表明したものの、「困惑している」という立憲民主党の枝野幸男代表からの冷淡な発言と立民予定候補の支持者の猛反発を受けて11日に撤回した山本太郎・れいわ新選組代表が翌12日、新越谷駅前での街頭演説で野党第一党党首かと見間違えるほどの力強い政権交代への意気込みを語った。出馬をめぐる立憲民主党の食い違いを棚上げにして野党共闘を優先、岸田政権打倒を呼び掛けたのだ。

 この日の街宣は終了後の囲み取材が予定されていなかったため、一般参加者との質疑応答の前に報道関係者からの質問を受け付けた。そこで地元記者に続いて私は、東京8区不出馬について聞いてみた。

――東京8区の出馬について立民の担当者と話をした内容と枝野代表の発言が食い違っている、乖離があったと。(枝野代表は)まるでエイリアンのように殴り込みをかけたような言い方になって、その食い違いについて立民の担当者から何らかの説明、謝罪などがあったのか。

 山本代表 いま聞かれたこと、さっぱり訳がわからないという方がたくさんいると思います。山本太郎、なかなか自分の選挙区を決めて来なかったが、つい先日、発表をした。東京8区、杉並です。(元都知事の)石原(慎太郎)さんのお坊ちゃまが出られているところです。伸晃さまですね。2012年、山本太郎が初めて政治の世界に足を踏み込もうと立候補した土地です。そのときには負けてしまった。7万票いただきましたが、届かなかった。リベンジということでそこで立つことになった。

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 けれども、もうすでに他党(立憲民主党と共産党)でも立候補されている方がいますので、ここには調整が必要になってくる。それで立憲民主党と調整をしていた。そこに対して齟齬があった。要は、地元への説得が十分でなかったために、推したい候補に対して「この人を下げろというのか」というような熱が生まれた。
 結局、騒ぎになるという状況だったので、私はそれは本望ではない。だって私たちがやるべきことは、自公政権を引きずり降ろして消費税5%にまずしたりとか、コロナ対策を徹底して、それだけではなくて、足りていないところにベーシックサービスとか医療とか、その他、ベーシックに皆さんから必要としているようなものを無償化にしていくというような第一歩として踏み出さないとならない。目的はもめることではないのです。

枝野幸男・立憲民主党代表

 だから(東京8区からの出馬を)発表はしたのですが、後々、取り下げました。降りますということにした。力を合わせないと政権交代なんかは起こらないからですね。

 出馬から不出馬に至る経過を説明したうえで山本代表は、私の質問に対して次のように答えた。

 山本代表 いろいろな齟齬があって、そこに関して何かあったのかということですが、もうここに関してはいいです。というのは、何かというと、責を負うのは当然代表になります。それは組織でしょう。そう考えると――。私もそうだと思います。私も小さなグループですが、その代表としているわけですから、何か組織内にあったときにはやはり一番責められるべき存在であろうと。それは、組織の大きい、小さいは関係がないということだと思います。

 今回に関しては、そういうことがあった。けれども、次に行かなきゃ。だって選挙のために総理大臣の首を飛ばしたのですよ。すごいですよね、この執念。何が何でも権力は手放さないという、この執念。野党側に足りないのはそこです。揉めている場合ではない。いったん、これ、終わらせよう。そういうことですね。

 れいわ新選組は衆参3議席の少数野党だが、山本代表からは共通政策で合意した野党4党で共闘して政権交代を勝ち取ろうとする意気込みが伝わってきた。冒頭で「野党第一党党首と見間違う」と指摘したのはこのためだ。それほど、大局的な視点から野党共闘の重要性を訴えたともいえる。私は今後についての質問を続けた。

――次、代わりに出るかについては。

 山本代表 越谷で立つと言ったら、越谷の皆さまに怒られるじゃないですか(笑い)。なかなか難しいですよね、選挙区。でも、立候補することはすべての人たちに担保されていることですから、それに対して何かしらいわれることではない。基本的な権利として、それはあるものでも「野党共闘をしていく」ということを決めた以上は一定の配慮は必要になってくるだろうと考えたときに、慎重に選ぶべきだろうなとは思っています。今回の選挙をあきらめたわけではなくて、私は出ます。それをまだ発表していないだけです。(拍手)

 14日と15日の記者会見でも山本代表は、小選挙区での出馬表明もせず、比例単独の可能性も選択肢の1つと述べるなど検討中の状態が続いている。19日の告示日が迫るなか、野党陣営の切り札ともいえる“山本太郎カード”がいつ、どの選挙区で切られるのか。山本代表から目が離せない。

【ジャーナリスト/横田 一】

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