九州地銀17行が中間決算を発表、低迷する株価
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【表1】は九州地銀17行(FG・FH含む)の2022年3月期中間決算(9月期)の発表日である。昨年のトップは西日本FH(西日本シティ銀行・長崎銀行)だったが、今年は大分銀行が11月8日で先陣を切った。
昨年は18行だったが、ふくおかFG傘下の親和銀行と十八銀行が20年10月1日付で合併し、十八親和銀行となったため、1行減の17行となっている。
【表2】【表3】は、日経平均株価推移表と九州地銀(東証1部上場)の株価推移表である。
【表2】の通り、20年9月30日の日経平均株価(終値)は2万3,185円12銭。21年3月31日の株価は2万9,178円80銭。11月17日は2万9,688円33銭で、20年9月期比6,503円21銭高(28.05%増)と大幅な上昇。また 20年3月比で509円53銭高(1.75%増)と上昇している。
【表3】を見ると、九州地銀の11月17日の株価は全行が前期比マイナスとなっている。大きく値を下げたのは大分銀行で、前期比376円安の1,778円(前期比17.46%減)。2番目は九州FGで同75円安の400円(同15.79%減)。3番目は宮崎銀行で同352円安の1,985円(同15.06%減)だった。
以下、北九州銀行を傘下に持つ山口FG(同12.50%減)、西日本FH(同6.42%減)、佐賀銀行(同6.17%減)。下げ率が最も小さかったのはふくおかFG(同6.10%減)だった。
21年9月30日比でプラスは、西日本FHだけとなっている。西日本FHの株価を見ると、20年3月31日は前日比49円安の610円(前日比7.44%減)。一方、北九州銀行を傘下に置く山口FGは同34円安の612円(5.26%減)と山口FGの株価が上回っていることがわかる。
しかし、11月17日の西日本FHの株価は前日比1円安の744円(前日比0.13%減)。それに対して山口FGの株価は同1円高の644円(同0.16%増)となっており、西日本FHが100円上回っている。
山口FGでは『実録 頭取交替』に次いで、2度目のクーデターが発生。6月25日に開催された株主総会後の臨時取締役会で、「吉村猛山口FG代表取締役CEOの取締役への降格」を決議。 さらに吉村氏に対して取締役退任決議をしたものの、受け入れられず、12月24日に取締役解任の臨時株主総会を開催する予定となっており、株価を含め「予断を許さない状況」はまだまだ続きそうだ。
中間決算は増収増益基調に
20年9月期(中間決算)は、新型コロナウイルス感染拡大の懸念から貸倒引当金の積み増しにより減収減益だったが、今期は一転して増収増益基調となっている。その要因は日経平均株価が20年9月より大幅に上昇し、保有する有価証券の売却益および貸倒引当金の減額によるものと推測される。
日銀のゼロ金利政策は継続しており、実態は厳しい経営状況にあるのは間違いないようだ。詳細については、後日掲載を予定している「九州地銀17行(FG・FH含む)の21年9月期(中間決算)を検証する」で報告する。
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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