2024年11月29日( 金 )

人手不足、環境問題など山積する課題に地道に真摯に向き合う

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(公社)福岡県トラック協会会長
眞鍋 博俊 氏

日本の物流を支えるトラック運送業界

 (公社)福岡県トラック協会は、「国民生活と経済活動に不可欠な物資の輸送を担う貨物自動車運送事業の健全な発展を促進する」(同協会HP)ための、福岡県の運送会社で構成される業界団体である。1948年の創立以来、トラック運送業界が良質な運送サービスの提供を通じて発展できるよう、環境問題や交通事故防止対策などさまざまな課題に取り組んでいる。
 業界はいま、深刻なドライバー不足に陥っている。その背景には、他業種より約2割低い賃金水準でありながら労働時間は約2割長い、という問題がある。また、ドライバーの高齢化なども大きな課題となっている。

「TRUCK FES2021」の様子

 さて、全日本トラック協会と各都道府県のトラック協会では10月9日を「トラックの日」と定め、毎年さまざまなイベントを実施し、トラックドライバーの仕事ややりがいなどをアピールしている。今年は福岡県トラック協会企画・運営による「TRUCK FES2021」を開催、YouTubeによる生配信ライブなどが行われた。
 同協会の眞鍋博俊会長は、「物流は電気・ガス・水道などと同様、必要不可欠なインフラであり、これを支えるためにはトラックドライバーの存在が欠かせません」と強調する。「トラックが走らないということは、日本の経済が停止することを意味しています。また、災害発生時、被災地に支援物資を送るのはトラックドライバーの仕事ですし、大変やりがいのある仕事であることは間違いありません。今後も地道にトラックドライバーという仕事の魅力を伝え続けていくことが、私たちの使命です」(眞鍋会長)。

カーボンニュートラル実現のために

(公社)福岡県トラック協会会長
眞鍋 博俊 氏

 眞鍋会長は全日本トラック協会の副会長も務めている。環境対策委員長も兼任し、カーボンニュートラルに関する新指針の策定にも着手している。これまでもエコドライブの促進やアイドリングストップの徹底など、環境問題には業界をあげて取り組んできたが、今後は「電気車、水素車など次世代車の導入も推進していかなければなりません」と眞鍋会長は言う。ただ、そうした次世代車を導入するにあたっての課題もある。
 現在、福岡県と同協会が連携し、実証実験を行っているFCトラック(水素と空気中の酸素の化学反応により発電することでモーターを動かし走行するトラック)は2t車。しかし、今のところトラック業界の主力は4t車以上だ。次世代車はガソリン車・軽油車に比べ、「積載量が少ない」「走行距離が短い」「車両価格が高い」などのデメリットがあり、導入までに多くのハードルを乗り越えなければならない。眞鍋会長は、「こうした問題を1つ1つ解消し、トラック運送業界が一丸となってカーボンニュートラルの実現を目指します」と決意を語る。


<INFORMATION>
会 長:眞鍋 博俊
所在地:福岡市博多区博多駅東1-18-8
創 立:1948年1月
TEL : 092-451-7878
URL : https://hearty.or.jp/


<プロフィール>
眞鍋 博俊
(まなべ ひろとし)
1950年生まれ、福岡県出身。一橋大学商学部卒後、住友商事(株)に入社。76年に(株)博運社に入社、代表取締役社長を経て2014年に代表取締役会長に就任。15年6月から福岡県トラック協会会長、九州トラック協会会長、全日本トラック協会副会長を務める。

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