2024年08月18日( 日 )

中国経済新聞に学ぶ~ブリヂストン広東省タイヤ工場を12月末に閉鎖

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「普利司通(恵州)合成ゴム」も台湾企業に売却

タイヤ イメージ ブリヂストン(中国名:普利司通)は12月7日、中国広東省恵州市のトラック・バス用のラジアルタイヤの工場を今月末に閉鎖すると発表した。同タイヤは競合との価格競争が厳しくなっている。拠点集約により生産効率を改善させ、競争力を高める。同社は収益力向上に向けて世界で生産網の再編を進めている。タイヤエ場の閉鎖は3拠点目となる。

 閉鎖するのは、現地法人「普利司通(恵州)輪胎」(BSHZ)の工場で、1日当たり約2,800本を生産していた。11月末時点で従業員数は518人で、工場閉鎖後には一部を中国の別拠点へ配置転換するほか、法規制や労働協約に従って解雇も実施する。

 トラック・バス用のラジアルタイヤの生産については、同じ製品を手がけている「普利司通(瀋陽)輪胎」(BSSY)の工場に集約する。同工場の生産量は現状で1日当たり約4,400本。生産能力にはまだ余裕があり、拠点集約後も能力増強はせず、現状の設備で対応できるという。

 ブリヂストンは6月15日、タイヤに使う合成ゴムを手がける中国の製造販売子会社「普利司通(恵州)合成橡膠(BSRC)」を売却することも発表した。21年12月までに売却を完了する予定だ。ブリヂストンは低燃費タイヤなどの商品展開に力を入れている。中国子会社ではグリップ性に優れた高機能タイヤ向けの合成ゴムを生産しており、今後の戦略との相乗効果が見込みにくいとして売却を決めた。

 「普利司通(恵州)合成橡膠(BSRC)」の全株式を台湾に本社を置く素材・化学企業、LCYケミカルに売却する。売却額は非公表。

 BSRCは05年の設立で、20年12月期の売上高は前期比31%減の3億9,900万元(約68億円)、純利益は13倍の2,500万元(約4億3,000万円)だった。

 ブリヂストンは構造改革を進めている。23年12月期を最終年度とする中期経営計画で、19年に約160を数えた工場を4割減らすと掲げている。今回で、閉鎖や売却をした工場は計28拠点となる。タイヤエ場ではこれまで、乗用車用タイヤの仏ベチューン工場、農業機械用タイヤの南アフリカのポートエリザベス工場を閉鎖した。生産はイタリアやハンガリー、ポーランドの工場に集約した。これらの工場の稼働率が上昇している。

 ブリヂストンは本業の夕イヤ事業で稼ぐ力を伸ばす考えで、これまでにも米国の屋根材事業などを売却していた。

 日本国内でも磐田工場(静岡県磐田市)で製造品目を見直すなど再編を進めている。22年12月期以降はコスト改善効果がさらに顕在化する可能性がある。

 ブリヂストンの21年12月期は、生産拠点の再編にともなう採算改善により、連結営業利益(国際会計基準)が240億円ほど増える。


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