堅固な経営体制を構築 設立60周年、そしてその先へ
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(株)隆工務店 代表取締役社長
田原 昇 氏「番頭」として長年会社を支える
(株)隆工務店は故・篠田隆氏が1965年1月に創業、67年7月に株式会社となった、福岡の地場建築工事会社である。大学関係や福岡県、福岡市など官公庁からの公共工事を中心に手がけている。81年4月の篠田隆氏の逝去にともない、篠田夫人であり取締役経理部長を担当していた篠田千里氏が代表に就任した。現代表の田原昇氏は2016年7月に代表取締役社長に就任。以来、創業者夫妻の心をしっかり受け継ぎつつ、同社を力強く導いている。
田原氏はもともと設計志望だったそうだが、篠田隆氏の知人から「設計事務所に行くのならば建設現場をよく知っておいた方がよい」とのアドバイスを受けて同社に入社、工事部に配属された。入社当初は作業補助として、新築現場の流れをひたすら覚えることが仕事だった。「仕事を覚えるということの大切さは社長になった今でも変わりません。なぜなら仕事を『完璧に』覚えることが、次につながり、仕事の幅が広がっていくからです」――田原氏は当時を振り返りつつ、そう語る。
すぐに才覚を発揮し、現場を切り盛りするようになった田原氏。入社12年目の91年3月には専務取締役に就任する。その直後の91年8月、同社の一大プロジェクトとなる「くじゅうヒルズホテル」(大分県竹田市、現:ザ ガンジー ホテル&リゾート)の建設がスタート。これにより、同社は本業である建築業のほか、大分のホテル経営、福岡市内の不動産業と3つの事業を手がけるようになった。田原氏も3つの事業すべてにかかわり、長年「番頭」として同社を支えてきた。
「身の丈にあった経営」を実践
昨今の建設業界について田原氏は、「大規模工事は点数制となっていますが、お金をかけないと点数を上げることができません。地場業者が生き残っていくためには、改修などに力を入れていくことも必要となってくるでしょう。ただ、福岡市は地場企業育成を掲げており、他地区に比べて恵まれている部分はあります」と指摘する。
同社の経営方針の1つに「身の丈サイズの経営」がある。ホテル経営や不動産事業も行っていた同社だが、現在は建築業を主体に事業を手がけている。事業規模は以前より若干小粒となったものの、堅実な経営体制を構築している。
若いころはJC会員として地域社会への貢献に活躍した田原氏。退会後はライオンズクラブをはじめとする奉仕団体に入会し、福岡博多ライオンズクラブでは2020年~2021年に会長を務めるなど、人的ネットワークの構築にも力を入れてきた。現在も地場業者の会合や地域の行事などに積極的に参加しており、田原氏を慕う声は多い。
今年は同社設立55年の節目の年だが、設立60周年、そしてその先へと、同社が歩みを止めることはないだろう。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:田原 昇
所在地:福岡市東区原田2-9-1
設 立:1967年7月
資本金:2,500万円
TEL:092-611-3412
<プロフィール>
田原 昇(たはら のぼる)
1956年9月4日生まれ。大学卒業後の79年4月に同社入社。91年3月に取締役に就任し、2016年7月、代表取締役社長に就任し現在に至る。趣味はゴルフ。法人名
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