【現役社員座談会】山口FGは「パワハラしないと出世できない」銀行(1)
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NET IB-Newsなどで既報の山口フィナンシャルグループ(FG)の実態。長年に渡る吉村猛前会長による専横的な経営によって、ガバナンスが機能不全に陥っていることなどを報じてきた。そのためデータ・マックスには山口FGの内部情報が続々と寄せられている。今回は寄せられてきた内部情報を基に独自ルートで取材を敢行、現在の山口FG社内の様子などについて、3人の関係者に鼎談形式で語ってもらった。
(鼎談出席者)
A:退職者
B:現役社員(課長代理)
C:現役社員(係長)相変わらずの「内向き気質」
──お集まりいただき、ありがとうございます。
A:まずは発表されたばかりの新CM(1月21日ニュースリリース「石川佳純選手を起用した新CMの放映について」(PDF))について。卓球の石川佳純選手と絡めて『新たな経営体制のもと進み始めたYMFG』と書いてあり驚きました。
B:普通は合併や経営統合したときに使う表現でしょう。あるいは、新生銀行のように買収されたときのような感じですね。
C:経営トップが交代しただけで使う表現としては違和感があります。吉村猛・前会長以外の経営陣は変わっていないわけですし…。社長は変わっていないのに、経営体制が変わったとはいえないでしょう。
B:吉村氏の会長解任は半年以上前。言ってしまうと、ヒラ取締役が1名辞めただけです。
A:それもありますが、お家騒動とCMを絡めるのもおかしいな、と思います。CMタレントのイメージも悪くなってしまいます。独善的だと感じましたね。
C:たしかに、1人よがりで周りが見えていない印象は受けます。石川選手への配慮もないので。
A:そう、思いやりがないですね。いろいろあったが、前会長も辞めたのだから蒸し返すこともないだろうと思います。人としての情に欠けています。
C:中でやっていればいい話で、外に向かっていうことではない気がしますね。
A:わざわざニュースリリースで、あてつけがましく書くこともないだろうと思います。お客さまがどう思うかという視点がなさすぎます。
C:トップが誰かなんて、銀行のお客さまには関係ないし、気にもしないですよ。無能なトップは変えたので心機一転頑張ります、などとアピールする必要もないでしょう。
B:内向きの企業体質は変わらないということなのでしょうね。
A:このニュースリリースだけで、これだからダメなのだと思ってしまいました。
NetIB-Newsの「調査報告書」検証について
──NET IB-Newsでの発信が貴社内で話題になったと聞いています。
A:ネットニュース(NetIB-News)の検証記事、細かく検証されていて驚きました。
B:あのような記事が書けるまで読み込んだ山口FG社員はいないと思います。社員よりも記者の方のほうが山口FGを愛しているのではないですか(笑)。
C:なんとなく調査報告書に違和感をもっていましたが、記事を読んで納得しました。弁護士が調査したことを「錦の御旗」にしていましたが、それも怪しいと思います。
B:高齢な弁護士に、東京の法律事務所。きちんと調査に加わったとは思えませんね。
A:弁護士の名義借りみたいなことをする必要があったのでしょうか。
B:弁護士の権威にすがるくらいしかなかったようにも思います。
A:今時は弁護士にそれほどの権威があるとは思えません。当然、法律の解釈を聞くことはありますが…。
C:社外取締役の弁護士も見苦しいと感じました。吉村氏の記者会見に過剰に反応して、マスコミのインタビューを受けていました。
A:あれは騒動を機に売名行為を行っているようにも見えました。
B:記事にはこれまで出ていなかった話もあって、上層部は騒ぎになっていましたよ
C:あれだけアイフルとの新銀行を問題にしておきながら、架空給与の内部告発(参考記事:山口FGの有志社員から内部告発状届く)の件はとんでもない話です。真相はわかりませんが、勤怠管理にアクセスできる人なんて限られます。告発した人は勇気がありますね。
相次いだ内部告発
──社内での情報工作が激化していましたね。
A:最初の内部告発が報道されたのは5月上旬です。同じタイミングで取締役に内部告発が送付されたことになっています。手際の良さが引っ掛かりますが。
B:仕組まれていたと考えないと不自然ですね。
C:最初の内部告発はクーデター側が仕組んだものだと思います。しかし、それ以外の内部告発が相次いだというのは想定外だったのではないでしょうか。
B:内部告発もさまざまなパターンがあって、数名の有志が協力しているもの、個々人が行っているものなどがあります。内容も幅広く、多岐にわたっていますね。ここまで内部告発が広がるとは思わなかったのでしょう。
C:皮肉なことですが、クーデター側が仕組んだ内部告発がきっかけとなり、社員・行員に告発することで会社を変えようという勇気を与えたのかもしれません。
A:策士、策に溺れるという感じがしないでもないですね。
B:NetIB-Newsは、クーデター側とつながっているのではないかという噂がありました。「調査報告書」の検証記事を読むとそんなことはなかったとわかりますが、かなり詳細な内部情報をつかんでいる点は不自然でした。
A:クーデター側が意図的に、情報をリークしていたのかもしれません。
C:小説やドラマのようで話題に事欠きませんでした。もしかすると、記事になるようクーデター側が巧妙に仕組んでいたのかもしれないですね。
A:山口FGならあり得る話です。本当にやりかねないところが恐ろしいです。
(つづく)
【特別取材班】
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