【長崎県知事選】限りなく「黒」に近い自民、維新陣営(前)
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新聞折り込みのビラにシルエット
4期目を目指す中村法道知事、医師で元厚労官僚の大石賢吾候補、会社社長の宮沢由彦候補による三つ巴の戦いとなった「長崎県知事選」(2月20日投開票)で、なり振り構わぬ選挙活動が行われていた。
自民党長崎県連と維新が推薦する大石氏を想起させるシルエットチラシが地元紙の折り込みで配布されていたのだが、公選法に詳しい元検事の郷原信郎弁護士が昨年4月の参院広島選挙区再選挙で問題視した自民党公認候補のビラと瓜2つであったのだ。
NetIB-Newsの2021年4月24日付記事「【参院広島再選挙】限りなく「黒」に近い?~自民党の選挙活動」でも紹介したが、選挙戦最終盤に広島で講演した郷原氏は、中国新聞の折り込みで配布されたビラを手に次のように訴えた。
「中国新聞にこういう自民党のビラが入っていました。(表に)岸田さんが、県連会長のメッセージがある。裏に候補者のシルエットが入っている。ここに『39歳、自民党公認、広島市出身、被爆三世』と書いてある。プロフィールを書いてシルエットまで出して、候補者名だけが書かれていない。(ビラのなかにある)『公職選挙法に規定により候補者の顔写真や氏名を記載することが禁止されているため、シルエットを用いています』と正直に書いてある。これは一体何ですか。
そもそも選挙期間中の政党のビラというものは、政党の政策を訴えるものでなければいけないし、候補者名をもろに書いたり、それを推測されるようなことを書いてはいけないのは、公選法のルールです。これは公選法違反そのもの、真っ黒になるかどうかは別として、相当に問題のあるやり方だと思います」。
2つのチラシ(ビラ)には共通点がいくつもあった。長崎新聞や西日本新聞の折り込みで配布された大石氏想起のチラシにも、表には小さい文字ながら「公職選挙法の規定により、候補者の氏名や写真を記載できないため、シルエットにて表示しております」と書かれていた。また、大きな文字で「39歳医師」「コロナとたたかう医療専門家」「推薦 自民党長崎県連 日本維新の会」とも明記され、大石氏とすぐにわかる黒メガネ入りのシルエットもあった。
チラシの裏には、政策集から抜粋したという「新人知事候補公約」がずらりと並び、下の方には自民党長崎県連と日本維新の会の推薦メッセージが書かれていた。
(つづく)
【ジャーナリスト/横田 一】
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