【福岡IR・特別連載75】長崎IRは資金計画立たず 福岡IRは近日中に動き
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長崎県行政とカジノ・オーストリア・インターナショナル・ジャパン(CAIJ、東京都千代田区)は、2月28日までに、IR誘致の総事業費3,500億円の資金計画とそのエクイティ参加企業名などを具体的に発表すると約束していた(1月27日付日本経済新聞)が、その約束は果たされず、いまだ何の動きもない。
先日の長崎県知事選挙で現職の中村法道氏が落選し、新人の大石賢吾氏が当選したのも理由だが、最大の理由は「長崎IRに投資する企業がない」というもので、すでに「崩壊状態」なのである。
筆者は、これまでに何度も「長崎県が掲げる年間集客数840万人は天文学的な数字であり実現不可能、一体だれがこんな計画を信用するのか」と指摘してきた(ちなみに福岡IRは年間460万人の集客を計画)。
いい加減、お上(政治・行政機関)がやることに忖度して、それに安易に乗るようなことはやめるべきである。彼らは過去にたくさんの"負の遺産"をうんできたのだから。
長崎県民は、先日の知事選挙で誠に正しい判断をくだしている。近いうちに、大石新知事が、この「机上の計画」についての真実について説明し、正式にIR誘致事業からの撤退を発表するだろう。
福岡IR、近日中に記者会見予定
関係者によると、米国Bally's社一行が、コロナの感染状況などを考慮したうえで1カ月以内に来日し、「福岡IR誘致開発に関する記者会見」を行うという。国内初となる民間先行(米国IR企業と地元民間準備組織がタッグ)による福岡市行政と議会、財界、市民に対する正式な提案になるものと思われる。
長崎IR、和歌山IR、北海道苫小牧IR、横浜IRと行政先行の計画はすべて失敗している(オリックス・宮内オーナーと当時の橋下徹氏などの能力によるものが大きい大阪IRは除く)。
これまで説明してきたように「安倍・トランプ密約」があったことから、時の政府はこのようなかたちでやらざる得なかったが、IRの誘致開発事業は「行政の能力」では実行不可能である。
まず、候補地周辺住民に計画を認知してもらったうえでの積極的な誘致活動。地元中小企業、市民などからの提案。国内のメジャー企業からの協力、資本参加。世界的に著名なアナリストによる事前の可能性調査に、資金計画、事業計画。あわせて、肝心の米国資本のIR投資開発企業の選択と参画など、リスクを恐れる行政の封建的な組織では何1つ先行してやれるものはない。
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【IR福岡・特別連載】特報/投資開発企業が判明~米「BALLY’S」行政の首長は政治家であり、これを決めるのは議会で、それぞれ政治家でもある。その政治家と行政機関ではビジネスが分かるはずもない。首長が決めたパフォーマンスに忖度した挙句の夢物語のような集客計画に投資する企業などあるはずもなく、首長がかわれば、突然方針転換して計画が崩壊するのである。
さらに、時代錯誤の「ギャンブル依存症」を理由とした政治家や市民団体、マスコミなどからの批判を恐れて、各関係者は戦々恐々。誘致開発事業が進むはずもない。何事も決まるまでは絶対に表に出さず、すべて水面下で準備をし、すべてが決まってから初めて表に出すべきである。これが巨大プロジェクト成功への常道なのだ。
その点でいうと今回の福岡IRプロジェクトはすばらしい戦略をとっている。
しかしながら、あくまでIRの誘致開発事業は当該地管轄行政機関による国への申請と事前の公開入札などが「IR関連法」で定められており、当事者である福岡市行政が手続きを実行する立場にある。
近日中に行われる見込みの米国Bally's社主催の記者会見後の福岡市行政と議会、地元財界関係者の対応が見ものであるし、楽しみでもある。
【青木 義彦】
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