【福岡IR・特別連載76】長崎IRの失敗は行政の能力不足が原因
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「理屈に合わない」修正計画
長崎県とカジノ・オーストリア・インターナショナルジャパンは10日、資金調達計画などの発表を2月末までに行えなかった件について、再度計画を見直し、来月中旬までに明確にすると県議会に伝えた。
見直しの主な内容は、総事業費が当初の3,500億円から900億円増の4,400億円。年間集客数は“天文学的な数値”の840万人から170万人減の670万人に修正(それでも過去のハウステンボスの集客実績の約2倍)。一方で長崎県に入る入場料・納付金などの収入は「82億円増」の391億円になると発表している。
これらの修正が「理屈に合わない」ことは一目瞭然だ。総事業費という「出て行くお金」が大幅に増えて、年間の集客人数は大幅に減少。しかし、県の収入だけは大幅増だと発表しているのである。
このような理屈に合わない修正計画はビジネスの世界にはない。こんな計画が可能になるなど誰が信じるだろうか。いくら「苦肉の策」だと言ってもお粗末過ぎだ。
ひとまず従来の経営環境に
世界的なコロナ禍により、多くの観光施設がダメージを負っている。ハウステンボスも同様で、年間の来場者数が大幅に減少している。来場者数をコロナ前の水準に回復させるだけでも至難の業であり、まずは長崎県及び佐世保市は、今後いかに来場者数を増やしていくかについて最大限の努力をするべきである。
前回(「【福岡IR・特別連載】長崎IRは資金計画立たず 福岡IRは近日中に動き」)も、お伝えしたように、福岡IRについては、米国Bally's社が中心となり誘致開発事業についての記者会見を今月末に行うことになっている。福岡市は正式に立候補していないが、米国企業による意志表明は、すでに福岡市行政を含めた各関係機関に提出されており、近日中にその全貌が明らかとなる。
山口、長崎、熊本、佐賀、大分県からの福岡IRへの所要時間は約1~2時間で、鹿児島も新幹線を使えば同様の所要時間である。当初から言っているように、その後背地人口、市場性からみて、我が国では東京中心の関東都市圏か、大阪中心の関西都市圏、福岡市中心の北部九州都市圏しかIR誘致開発事業の採算が取れない。
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【IR福岡・特別連載】特報/投資開発企業が判明~米「BALLY’S」従って、長崎県は近いうちに行われる米国Bally's社の記者会見後に福岡IRとハウステンボスの連携を模索するだろう。連携を行うことが最も効果的で、現実的なハウステンボスの再生策になるものと思われる。
おそらく両者の利害は一致する。ここは心機一転、福岡IRとハウステンボスの相互協力・連携を積極的に行うのが最も賢明な選択だろう。
【青木 義彦】
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