ウクライナ危機、大統領夫婦関係から読む米ロの思惑(後)
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国際未来科学研究所
代表 浜田 和幸 氏ウクライナ危機が起こるなか、これからの世界はどうなるのか。政治指導者や経済界の大富豪に寄り添って、ともに歩み、彼らを支え、操る夫人や愛人との関係から、世界情勢の裏側を解き明かした『世界のトップを操る“ディープレディ”たち!』の著者である浜田和幸氏に、今後の国際動向について話を聞いた。
先手を打った米グローバル企業
──ウクライナ危機の影響を受けて、食糧危機などさまざまな問題も起こりつつあります。マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏、テスラやスペースX創業者のイーロン・マスク氏、Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏はウクライナ危機にどのように関わっていますか。
浜田 マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は「コロナの次は食糧危機だ」と以前から発言していましたが、世界中の種をノルウェーのスピッツベルゲン島に保管し、米国の農地を買収して米国最大の農地所有者になるという先手を打っています。ゲイツ氏が長年結婚生活を共にした元妻・メリンダ夫人は、人道的とはいえないゲイツ氏の戦略に同意できず、昨年離婚しました。
ロシアやウクライナは穀物の主要輸出国ですが、ロシアが経済制裁を受け、ウクライナが戦火で港を自由に使えず、自国民の食糧を優先するために穀物を輸出できにくい状況です。また、ロシアやウクライナが輸出していた化学肥料の原料が入ってこなくなると、中南米やアフリカでは農業生産が思うようにいかず、深刻な影響を受けるでしょう。
そうなると、ゲイツ氏は「待ってました」とばかりに、厳しい環境にめげず生産量が維持できる作物の種を提供できるとアピールするでしょう。ウクライナ危機の影響で穀物価格が高騰し、農業生産が厳しくなったときに頼りになる種で大儲けを狙っているのです。
イーロン・マスク氏は、宇宙ロケット「スペースX」の打ち上げで注目されています。米国NASAが資金不足のため、国際宇宙ステーション(ISS)の運営はロシアが請け負っていますが、経済制裁を受けているロシアが反発して宇宙船に乗せず、米国の宇宙飛行士が宇宙ステーションから帰ってこられないという事件が起きました。そこで、マスク氏が所有する宇宙船を米国に使ってほしいと助け船を出したところ、ロシアの姿勢が変わり、宇宙飛行士は無事に地球に帰ることができました。
マスク氏は、インターネット環境が悪化したウクライナに通信衛星「スペースリンク」を使ってインターネットサービスを提供したり、通信衛星を使ってロシアの機密情報を傍受したりしています。ロシアの軍人がスナイパーにより殺害されていますが、これはマスク氏がロシア軍部隊の移動に関する通信を傍受し、米国防総省経由でウクライナ軍に提供しているためです。
Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏はウクライナ危機に直接関わっていませんが、ベゾス氏の傍らで存在が見え隠れするディープレディ、愛人のローレン・サンチェス氏はハリウッドとのパイプが太く、ゼレンスキー大統領を押し上げたワシントンのPR会社やハリウッドのコンサルティング会社と接点があり、エンターテインメントの世界で動いていると言われています。
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アマゾン創業者ベゾス氏の次なる戦略:宇宙と延命長寿元妻のマッケンジー・スコット氏は、ウクライナで悲惨な状況にある女性の救援活動に力を入れており、離婚時に受け取ったAmazonの株式を財源にしてウクライナへの人道支援を行っています。
ウクライナ危機は長引く
──ウクライナ危機は今後、各国大統領の夫妻関係から、どのように動くと考えていますか。
浜田 ウクライナ危機は、西側諸国が折衷案を出しても簡単には決着がつかず、長引くでしょう。ロシアは力づくでウクライナを抑え込もうとしていますが、力を入れるほど反発も強くなり、ゼレンスキー大統領夫人がソフトパワーで打ち返しています。
ウクライナを東側はロシア、西側は欧州として東西ドイツのように分断する案も話題になっていますが、実現しにくいでしょう。もし、和平が成立したとしても、その後の国家運営で、どの国がウクライナの和平を保障するのかが問題になります。プーチン大統領は、ロシア帝国を再びつくることが神から与えられた使命だと言っており、簡単にウクライナを手放すとは考えられません。
ディープレディと呼ばれるリーダーを動かす女性たちの役割は、これからますます大きくなります。戦争で悲惨なことが起こるのはあってはならないことであり、信頼できる家族をもち、平和で豊かな国をつくるという、人種や国境を越えた普遍的な価値観がこれからの時代には必要です。女性のもつ母性愛で目の前の利害を突破し、本当の平和を実現して世界を再構築する役割がディープレディに期待されています。
(了)
【石井 ゆかり】
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<プロフィール>
浜田 和幸(はまだ・かずゆき)
国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鐵、米戦略国際問題研究所、米議会調査局などを経て現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選をはたした。11年6月自民党を離党、無所属で総務大臣政務官に就任し震災復興に尽力。外務大臣政務官、東日本大震災復興対策本部員も務めた。19年10月に出版された『未来の大国:2030年、世界地図が塗り替わる』(祥伝社新書)は、2100年までの未来年表も組み込まれており、大きな話題となっている。最新刊は、政治指導者や経済界の大富豪と夫人や愛人の関係から、世界情勢の裏側を解き明かした『世界のトップを操る“ディープレディ”たち!』(ワック)。関連キーワード
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