【検証・長崎IR(1)】誰もが無関心?拭えない“グダグダ感”~長崎IR誘致
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長崎県はIRを佐世保市のハウステンボスに誘致する方向で動いている。IRは地域に特需を生み出し、地方創生につながるため、九州有数の観光地“長崎”にとって起死回生の一手ともいえる一大プロジェクトになるだろう。近日中に佐世保市、長崎県の各議会で決定し、正式に国交省にIR誘致を申請する見込みだが、現地では「我関せず」の態度を示す者が大半のようだ。
主役がいない?
当然ながら、IR誘致とその成功には、多くの企業、自治体、団体の連携が必要となってくる。日本初のIR事業発足の可能性もあり、誘致するとなれば一大プロジェクトとなり、強力なリーダーシップを持つ人物が現れるだろう。しかし、長崎IRに関しては、どれだけ取材してもそのような人物の名前が上がってこない。
自治体はもちろん、長崎県を代表する民間企業の経営者や政治家に「この長崎IR誘致の中心人物は誰か?」と尋ねても明確な答えが返ってこないのだ。また、誘致するのか?成功するのか?との問いに対しては、みな一様に「もうすでに決まっていることだから、誘致はするのだろうけど成功するとは思えない」と答える。現状、どこにも主人公がおらず、また関心も薄いのだ。誤解のないように言うと、IR誘致の主人公は1人である必要はないし、必ず必要というわけでもない。しかし、これほどの大プロジェクトなので、「何があろうとも最後までやりきる」という覚悟を持った人物がいなくて成功できるのだろうか。
「無関心」――賛成も反対もしない、決まってから考える。これが長崎IR誘致の現状のようだ。
KYUSHUリゾーツジャパン(株)とは
IRの誘致において必須となるのがコンソーシアムの形成だ。コンソーシアムには中核となる企業が存在し、外資系企業の誘致や資金調達などの段取りを決めていく。主人公をあえてあげるなら、「そこだ」と答える人たちも多い。
KYUSHUリゾーツジャパン(株)は2月14日にカジノを含むIR関連施設の開発・企画および運営を目的に設立された。同社の本店として登記された住所は長崎県佐世保市ハウステンボス町4-3。現地に取材に行くと、同住所には九州文化学園の法人事務局があった。
建物のどこにも「KYUSHUリゾーツジャパン」の文字はない。建物のなかに入り、取材を申し込もうとするが、受付には九州文化学園の窓口しかない。仕方なく、同学園に問い合わせをしてみたが、ここに登記されていること以外は不明とのこと。まだ事務所として体制が整っていなかった。
代表取締役として登記されている大屋高志氏は東京都在住、資本金は100万円。このような資金、状況で数千億円のプロジェクトを成功させることができるのだろうか。いや、成功どころかスタートすら危ういのではないかというのが大半の意見だろう。長崎IRの誘致、事業に“本気”で取り組む人たちは、はたしてどこにいるのだろうか。
【IR特別取材班】
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