【検証・長崎IR(4)】なぜ、申請を急ぐ長崎県
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悪人が見当たらない
9日夕、長崎を訪れて取材を行った際に、“長崎のドン”と呼ばれる大物に話を聞いた。
「どうして長崎県は理不尽に、IR誘致の国への申請を急いでいるのですか?誰か金をもらった悪党がいて、退くに退けないのでしょうか」と投げかけてみた。
「いや、前の中村知事は金(大金)をもらう勇気はない。佐世保市長も同様である。地方議員も袖の下の小遣いをもらっても、大枚はしびれて受け取ることはできないであろう。長崎県出身の大物国会議員2人も金で肩入れしている様子はない。長崎県の焦燥感をもった行動は俺も腑に落ちないのだ」と腕を組んで沈黙した。どうも悪人が見当たらないのである。
裁判リスクに慄く?
取材すれば必ずそれなりの情報が入る。10日、電話がかかってきた。東京在住の情報通からである。「オシドリが、前回の入札決定のやり方に不正があるとして、その不正に対する訴訟の準備を行っている。それで長崎県は慌てて、国への誘致申請の体裁を整えることに奔走しているのであろう」という。
確かに、入札指名に参加しようとしたオシドリ・インターナショナル・ディベロップメントが「今回の入札には不合理なルールがあり、倫理的懸念がある」と批判し、不参加を表明した経緯がある。このオシドリの訴訟リスクに対して先手を打って長崎県が策動したとすれば、笑止千万だ。
大石新知事は、敢然とIR誘致申請を取りやめれば凄い人気を博することになるだろう。大石新知事の英断に期待したい。
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