高濃度酸素の飲用化に世界初成功(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏酸素の種類と吸入方法
酸素には2つの種類がある。1つは、空気を吸うことによって、空気中から取り入れる酸素で、その酸素は肺でヘモグロビンと結合し、毛細血管を通じて細胞に届けられる「結合型酸素」。もう1つの酸素は、血液に溶けて分子のかたちで細胞に届けられる「溶解型酸素」である。
溶解型酸素の場合、ヘンリーの法則によって圧力を上げると、溶解する酸素の量が増加するので、その性質を利用すると、血液に高濃度酸素を供給できる。現在酸素を人体に取り入れる方法としては、呼吸以外に病院で行われている高気圧酸素療法と、酸素カプセルがある。
高気圧酸素治療は減圧症、一酸化炭素の中毒治療などに利用されている。高気圧酸素治療は、高い気圧環境のなかで、ほぼ100%に近い酸素を吸入することで、通常の20倍くらいの酸素を組織に供給する治療法である。病院で行われている治療の一種であるため、コストが高い。一方、酸素カプセルはスポーツ選手などに人気があり、運動後の疲労回復や美容などへの効果があるということで、ビジネスとして展開されている。
しかし、一部の医師は、酸素カプセルはあまり意味がないと指摘している。酸素がどのようなメカニズムによって人体に吸収され、効果が発揮されるのか明らかではないという主張である。また、酸素水というものもあった。しかし、酸素は時間の経過とともに蒸発してしまうので、酸素水は飲んでも効果がないことが明らかになり、市場から消えている。
カプセル化と飲用のためのデバイス開発に成功
そのような状況下、「酸素を水に溶かして蒸発しないようにする方法はないか」と世界各国で研究が進められた。その1つとして酸素を高濃度カプセル(上記の酸素カプセルとは違う)に閉じ込め、飲む際にミネラルウォーターに溶かして飲めばいいのではないかという発想にたどり着いた。しかし、高濃度酸素を小さなカプセルに閉じ込めるのは難しく、8年近くの歳月が流れた。
世界で最初にカプセル化したのはドイツの会社だった。しかし、この会社のカプセルの材質は鉄で、酸素は鉄と反応し、すぐ酸化してしまうので、さびができて体に悪いことがわかり、プロジェクトはとん挫した。
その後、ロケットの燃料タンクなどを長年作っていた会社の社長がこのチャレンジに挑み、世界で初めてアルミで高濃度カプセルをつくることに成功した。酸素カプセルの使い方だが、ミネラルウォーターの蓋を開けた後、代わりに別の蓋をして、その蓋にカプセルが入ったデバイスを使うと、その装置がカプセルに穴を開け、瞬時に高圧の酸素が水に溶解するようになる。カプセルの酸素は350分の1に体積が縮小され、酸素カプセルに入っている。この会社では、現在130ppmの酸素水をつくることに成功しただけでなく、高濃度酸素カプセルをつくる製造設備まで自社で開発し、設備やカプセル、それからミネラルウォーター用のデバイスまで製造している。
製品の構成としては1日1個、1カ月分の30カプセルとカプセルに穴を開けるデバイスが入っており、発売当初から反響が大きく、効果に驚いたという事例が続々報告されている。新型コロナの重症化で苦しんでいた人が治るなど、酸素水を1週間位飲用すると、その効果が体感できるという。
この製品を開発した会社は(株)O2VIS(オツ―ビス)で、代表取締役は張成鎮(チャン・ソンジン)社長、今後日本での展開などを計画中だという。同社は、酸素を水とともに人体に取り入れることで、他の健康食品では経験できないすばらしい効果が体感できるとしている。
(了)
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