改正消費者契約法案が成立、契約の取消権を拡大
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取消権に3つの行為を追加
新たな悪質商法に対応するため、消費者が商品・サービスの売買契約を取り消せる権利を拡大した改正消費者契約法案が25日、参院本会議で可決、成立した。公布から1年以内に施行する。
消費者契約法は消費者を悪質商法から守るため、契約の申し込みを取り消せる商行為を定めている。「必ず値上がりする」と断定して金融商品を販売したり、訪問販売で「帰ってほしい」とお願いしてもとどまって契約させたりすると、契約後に取り消すことができる。2018年の改正では「デート商法」や「霊感商法」も追加された。
しかし、新たな手口による消費者被害が後を絶たず、今回の改正により、3つの行為を取消権に追加した。
1つ目は、本当の目的を説明せず、帰ることが困難な場所へ連れて行って契約させる行為。たとえば、健康食品の販売が目的であることを知らずにツアーに参加し、本当のことを知っても離島に連れて行かれたために帰れないといったケースが該当する。
2つ目は、「威迫」する言動を交えて、消費者が相談のために家族や知人に連絡することを妨害する行為。エステや美容医療の契約に勧誘されて、「両親に相談したい」という消費者に対し、「自分で判断できるだろう」と迫って相談させない行為などを想定している。
3つ目は、契約前に商品の現状を変更し、元に戻すことを困難にする行為。たとえば、商品パッケージを破って中身を見せて、買わざるを得ないようにするケースが該当する。
事業者の努力義務も拡充した。契約解除の手続きに必要な情報提供を努力義務として課す。契約が自動更新されるサブスクリプションのサービスで、「解約ができない」という消費者トラブルが多発している問題に対応する。
「網羅的なルール」の検討を付帯決議
国会では付帯決議も行われた。判断力の低下など多様な事情に応じて、消費者が契約の申し込みを取り消せる制度を含む「網羅的なルール」の検討を求めている。
改正法案に対し、適格消費者団体からは不満の声が出ていた。埼玉消費者被害をなくす会は、困惑類型に「脱法防止規定」の設定、判断力が低下した消費者が生活に支障が出るような契約を結んだ場合の取消権を要望。消費者被害防止ネットワーク東海も成人年齢の引き下げなどを踏まえ、同様の措置が必要としていた。
【木村 祐作】
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