【徹底告発/福岡大・朔学長の裏面史】「研究業績2636本」の実態
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寄せられたあまたの情報を基に、綿密な調査・検証を加えて、福岡大学・朔啓二郎学長体制(2019年12月発足)の危険性に警鐘を鳴らす【徹底告発/福岡大・朔学長の裏面史】シリーズ。その第1弾として、明日から連載記事「『研究業績2636本』の実態」(全5回)をお届けする。
シリーズの初めに個人の研究業績を取り沙汰するにあたり、大学の実情に詳しくない読者のために、そもそも大学教員の研究業績リストというものがどのような意味をもつものであるか、少し解説しておきたい。
大学はいうまでもなく教育機関である。私立大学にはこれに加えて経営という側面がともなう。近年、大学運営を一般企業のモデルで捉える風潮が強まったこともあり、大学教員とは大学に雇われて学生に教育というサービスを提供し、その対価を得ながら雇用者=大学法人の営利活動に参画するものというふうに捉える向きも多い。しかるに、大学university の語源であるラテン語universitasは、もともとは「同業者組合」という意味であった。これが教育機関を指すようになった経緯はこうである。
時は中世ヨーロッパ(11世紀から12世紀ごろ)、都市で各々単独で研究活動に勤しむ有識者のもとへ、各地から教えを乞いに学生が集まるようになった。教場の確保や教師の生活および研究活動維持(当初、教師の報酬は学生からの自由献金のようなかたちでなされていた)などのために、教師たちが組合をつくった。それが1つの建物群や組織を形成していくにおよび、教育機関としての「大学」となったのである。
つまり、大学教員とは元来「個人事業主」だったのであり、その本質は「被雇用者」という扱いになった今も変わらないはずである。教員1人ひとりの研究活動が、所属する組織全体に吸収されるように見えているだけだ。そして、「研究業績リスト」とはいわば、そうした個人事業主としての各教員の、ある時点における「決算書」の集積のようなものと言っていい。
大学教員は公的機関や企業などからの援助を受けて研究する機会も多い。援助者にすぐに目に見えるかたちで利益をもたらす活動ではないかもしれない。だが、援助者はその成果が未来における何らかの利益に資するものと思うからこそ、その教員に資金を提供するのである。そもそも毎月給与が振り込まれるのも、教育・研究機関としての大学の公共性に基づき、国や地方公共団体からつぎ込まれる巨額の補助金があってこそ。各教員の「研究業績リスト」=事業報告書は、紛れもなく公的性格を帯びている。
従って、そこに虚偽があってはならないし、ましてや粉飾だらけのものを世に提示することは、一般企業でいえばステークホルダーに対して背信行為を働くのと同じことだ。個人事業主であればたちまち仕事を失い、会社は潰れてしまうだろう。まさにそうした“粉飾決算書“を、我々取材班は、朔学長が福大HPで公表している「研究業績リスト」のうちに見出したのである。その経緯と分析結果のご報告が、これからお届けする5回の記事である。
分析の結果、“粉飾“はいくつかの手口とそれらの組み合わせで行われていた。本連載では、それらを1つ1つ、証拠画像をふんだんに示しながら紹介していく。目次は次の通りである。
・連載第1回(イントロダクション)
「自画自賛の演説と胡散くささ全開の研究業績数」・連載第2回
「部下の業績はわが業績?──『ギフトオーサーシップ』疑惑」」・連載第3回
「一粒で二度おいしい?!──同一論文のダブル・トリプルカウント」・連載第4回
「単著書・単著論文のあきれた実態(その1)──同名単著書2タイトル各5本ずつの怪」・連載最終回
「単著書・単著論文のあきれた実態(その2)──学内業務連絡も写真だけでもわが『論文』」この連載を通して、朔学長とはいかなる人物であるか、その一端が浮き彫りになるはずである。九州最大規模の高等教育機関として、未来を担う若者たちの育成に責任を負う福岡大学の運営を、このような人物に任せたままで良いものか、読者諸兄姉、とりわけ福大の教職員、在学生とその父母、そして卒業生の方々に問いかけるシリーズ第1弾。どうかお見逃しなきよう!!
(つづく)
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