コロナ禍でも過去最高業績を達成 「IP軸戦略は伊達じゃない!」(後)
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(株)バンダイナムコホールディングス
玩具メーカーの(株)バンダイとゲームソフトメーカーの(株)ナムコの経営統合によって生まれた(株)バンダイナムコホールディングス。IP軸戦略の下、グループで玩具やゲーム、アニメ、映像・音楽など多彩なエンターテインメントを提供し、コロナ禍でも売上高・利益ともに過去最高を達成するなど気を吐いている。
パーパス&新ロゴマーク導入
同グループでは今年4月から、グループの最上位概念となる「パーパス」と、新たなロゴマークを導入した。パーパスとは、「社会における存在意義」や「なぜその事業や企業活動を行うのか」「私たちがバンダイナムコで働く意味」などを表して制定したもので、バンダイナムコとファンが「夢・遊び・感動」を通してつながることで、「Fun for ALL into the Future」を実践していくとしている。
一方の新ロゴマークは、このパーパスに込めた思いを表現したもので、吹き出しを想起させるモチーフに「BANDAI NAMCO」のロゴタイプを入れ込んだ。原則的にグループのすべての商品・サービスに新ロゴマークを表記することで、商品・サービスやレーベルが持つ価値を新ロゴマークに集積するとともに、グループの一体感と総合力を強く訴求。グローバル市場におけるブランド価値の向上を目指すとしている。
さらに、今年4月から25年3月までの3カ年の新たな中期計画(以下、新中計)をスタートした。新中計では、中期ビジョンとして「Connect with Fans」、重点戦略として「IP軸戦略」「人材戦略」「サステナビリティ」の3つを掲げる。IP軸戦略については引き続きグループの強みとして新中計の核に据える方針で、IPでファンとつながる「IP×Fan」、IPの価値を磨く「IP×Value」、IPで世界とつながる「IP×World」の3つの施策を提示。とくに力を入れているのは「IP×Fan」で、ファンに寄り添う新しい仕組みとして、IPごとのメタバース開発に着手するとしている。この「IPメタバース」では、仮想空間のなかでIPを軸に幅広いエンターテインメントを楽しむことができるほか、フィジカルな商品や場とデジタルが融合するバンダイナムコならではの仕組みを想定。その第1弾として、すべての地域・事業が関連する「ガンダム」のメタバースを計画している。新中計による25年3月期の目標数値は、連結売上高1兆1,000億円、連結営業利益1,250億円。
25年春から開催予定の「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」では、自社IPであるガンダムを軸とした「もう1つの宇宙世紀」を舞台に、未来社会の課題解決に向けた壮大な実証実験を行う「ガンダムパビリオン(仮称)」の出展も予定するバンダイナムコグループ。今後もガンダムをはじめとした強力なIPの数々を武器に快進撃が続くか、その動向が注目される。
(了)
【坂田 憲治】
<COMPANY INFORMATION>
代 表:川口 勝
所在地:東京都港区芝5-37-8
設 立:2005年9月
資本金:100億円
売上高:(22/3連結)8,892億7,000万円関連記事
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