コロナ禍3年目での反転攻勢 盤石な体制を構築し、次の未来へ(中)
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(株)ホテルオークラ福岡
代表取締役社長/総支配人
杉山 良太 氏新型コロナウイルス感染拡大の第7波により全国の1日感染者数は25万人に迫り(8月3日時点)、収束の兆しは見えてこない。6月23日に(株)ホテルオークラ福岡の代表取締役社長に就任した杉山良太氏にコロナ禍の影響と今後の見通しを聞いた。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役 児玉 直)経営の安定化を最優先
──今後どういった方針の下、福岡におけるオークラの存在感を高めていこうとお考えでしょうか。
杉山 ホテルオークラ福岡は1999年3月に開業していますので、今年で開業23年、25周年も間近に迫ってきています。コロナが今後、収束に向かっていくのかどうかはさておき、次の25年に向け、盤石な体制を今一度取り戻さなければなりません。これが私に課せられた最も重要なミッションだと感じています。
開業して23年が経ち、経年劣化によって、手直ししなければならない箇所が多々見受けられます。しかし、手直しを行うにしても先立つものが必要ですので、まずは経営の安定化を最優先に考えています。
──かつての売上高のレベルに戻るには、もう少し時間がかかりますか。
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ホテルオークラ福岡・高栁健二社長兼総支配人
オークラ東京総支配人に栄転杉山 かかると思っていて、いつ戻るのかも正直なところ見えていない状況です。しかし、前任の高栁(健二・現(株)ホテルオークラ東京専務取締役兼The Okura Tokyo総支配人)がホテルの体質を「筋肉質」なものにしてくれたと思っています。今の体質で売上規模が、たとえばコロナ前の80%のレベルにまで戻ったとき、どれだけ健全な運営ができるかどうかが重要です。もちろん、その前段階として赤字を脱却しなければならない状況にあるわけですが、80%のレベルでも健全な経営ができる体制をしっかりと構築しなければならないと思っています。
──コロナ禍になって社員の方々の状況はいかがですか。
杉山 ホテル業界全体の共通課題として、人材の流出が挙げられます。ただ、私どもに限っていえば、高栁が人材の流出を最小限にとどめてくれたと思っています。浜松の場合、福岡よりも離職者が多い状況でした。コロナ禍で業績が低迷しているとき、固定費が削減されてメリットになるという考え方もできるのかもしれませんが、それだと回復期になったとき、今度は人手が足りずに困ってしまうでしょう。
──新たに人材を確保する必要に迫られますね。
杉山 募集をかけてすぐに人が集まればよいのですが、現状は難しいと言わざるを得ません。人手不足の状態が慢性化してしまうと、仮に需要が戻る、もしくは増えたとしても、需給バランスが合わないため、受注制限をかけざるを得ません。実際、浜松は受注制限をかける寸前の状態にまで陥りました。一方、福岡も通常時よりも退職者が若干多かったのは事実ですが、それでもよく雇用を維持できている方だと感じています。
──一般の社員さんは現地で採用しているのですか。
杉山 大半は現地採用ですね。我々に限らず、ホテル業界全般にいえることですが、とくに若い世代の社員は、ホテル業界の先行きに対して不透明感を抱いている方が多いことは否めません。「隣の芝生が青く見える」こともあって、他業種に転職していく若い社員の姿を散々見てきました。もちろん引き止めようとはしたのですが、すべてを引き止めることはできませんでした。浜松で総支配人をしていたときの最も苦い思い出ですね。
(つづく)
【文・構成:新貝 竜也】
<COMPANY INFORMATION>
代 表:杉山 良太
所在地:福岡市博多区下川端町3-2
設 立:1996年2月
資本金:5億円
売上高:(22/3)25億5,200万円
URL:https://www.fuk.hotelokura.co.jp/
<プロフィール>
杉山 良太(すぎやま・りょうた)
1959年12月生まれ。82年3月成蹊大学法学部卒後、大成観光(株)(現・(株)ホテルオークラ)入社。2004年6月オークラフロンティアホテル海老名、オークラフロンティアホテルつくば、オークラアクトシティホテル浜松の総支配人を歴任。22年6月から現職。法人名
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