2024年11月22日( 金 )

【宮田学園(2)】600人の留学生の行く先は

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

転校はほぼ無理

 「(学)宮田学園・西日本国際教育学院の学生600人の行先は?」という問題がクローズアップされている。まず悲観的な事実を指摘しておくと、「引き受け先の学校がない」ということだ。

 なぜなのか?日本語学校経営者3人に取材してみた。

彷徨う人々 イメージ    A氏は、「我々はコロナ禍で苦労した。2年前、入学予定の留学生たちの入国がストップさせられたからだ。ところが最近、待機していた学生たちの入国が許可されたために、多くの留学生が入学した。もう教室が満室状態で、転入を受け入れる余裕はない」と語る。

 またB氏は、別の視点から話してくれた。「宮田学園に下された処分は適切だと思う。もし業界全体が留学生を搾取していると誤解されてしまったら、自分が経営している学校も信用を失っておしまいだ。ただ入国管理局も、どの学校も新たな留学生を引き受ける余裕がないという実情をしっかり把握してほしい。一番の被害者は留学生なのだ。留学生を帰国させる処置をとれば、国際問題になり得る」という意見である。

 さらに、C氏は「6カ月間日本語教育を受けてきたのだから、それなりの日本語力を身に着けた学生もいるのではないだろうか。そういう学生には、進学することを勧めたい。同じ学校法人が運営する宮田学園系列の専門学校への進学は道義的に許されないだろうが――もちろん、学生たちも宮田学園には見切りをつけて、去っていくことだろう。今回西日本国際教育学院に下された『今後5年間入学活動ストップ』という処分は、同業の日本語学校全体の信用をがた落ちさせてしまった」と独自の見解を述べた。

 西日本国際教育学院に下された処分は、「5年後に資格再申請を行えば許可もあり得る」という含みを持たせたものかもしれないが、時代は様変わりしている。そもそも5年後には、ビジネス目的での日本語学校留学はゼロになっているのではないだろうか? そのころには、日本という国の魅力がガタ落ちしているだろうから。

(1)
(3)

関連記事