中国の若者は、なぜ婚活サイトへの興味を失ったのか?
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インターネット経済の発展にともなって、恋愛や結婚の相手を見つける婚活サイトは、一度は若者の恋愛・交際の重要なスタイルになっていた。中国の膨大な数の単身者も、婚活サイトの勢いある発展を支える市場の基礎になっていた。
ところが今の若者は婚活サイトに対する興味をますます失っているようだ。交際を「課金」ゲームにするというのが、一部婚活サイトの常套手段のように見える。重要なのは、「課金」しても自分にぴったりの相手を見つけるのはやっぱり難しいとみんなが気づいたことだ。どうりで若者がサイトへの興味を失うわけだ。あるZ世代の恋愛・結婚に関する報告書によると、若者は趣味の活動、仕事や勉強などのチャンネルを通じて相手を見つけることを最も望んでいる。婚活サイトは主要なチャンネルとはほとんど考えられていないという。そこでますます多くの若者が「いい縁があれば結婚したい」と考えるようになる。データを見ると、ここ数年は入籍するカップルが年々減少する一方で、初婚年齢が上昇を続けている。国家統計局が最近発表した『中国人口センサス年鑑・2020』によれば、中国の都市部住民の平均初婚年齢は28.84歳、農村部住民の平均初婚年齢も28.38歳となり、過去10年間で3~4歳上昇したという。
データの背景にあるのは、観念の変化と社会の発展だ。若者の恋愛・結婚観は知らず知らずのうちに大きく変化した。智聯招聘が発表した「中国における女性の職場の現状調査報告2021」によれば、未婚の労働者が結婚しない理由をたずねたところ、女性の回答者の64%が「結婚は必ずしなければいけないものではないから」と答えて最多を占め、次に多かったのは「結婚して生活の質が下がることを心配するから」で44%だった。
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コロナで中国人の貯蓄志向が強くなったここからわかるのは、若い人にとって、とりわけ若い女性にとって、恋愛と結婚はよいことには違いないが、自分の生活の質のほうがより重要ということだ。自分にぴったりのパートナーが見つからないのなら、適当なところで手を打たずにシングルのままでいる方がいいと考えている。実際のところ、「いい縁があれば結婚したい」といっても、「仏系(仏のように物事に拘泥しない人々を指す)」になるとは限らず、自信をもつことがより重要だ。かつての物質的に豊かでなかった時代に、人々は結婚を通じて一種の「利益共同体」を構築する必要があった。2人が経済的に、生活のなかでお互いに助け合い、協力し、リスクを防がなければ、安心して暮らしていけなかった。しかし数十年にわたる経済の高度成長を経た今、衣食の問題はもはや考慮の対象外となり、若者のパートナー選択では、「三観(世界観、人生観、価値観)が一致する人」「趣味が近い人」が重要になった。多くの若者がパートナー選びでより重視するのは、精神面や感情面で自分と合うかどうかだ。
男性の方が結婚に焦り
婚活サイト「百合佳縁」が発表した「2021-2022中国男女恋愛・結婚観調査研究報告・30歳以上の独身脱出図鑑」によると、30歳以上の独身男性は、30歳以上の独身女性よりも、結婚に焦りを感じていた。
報告によると、結婚相手や結婚の位置付けについて、「30歳以上」の独身男女の8割以上が「自分が何を望んでいるのかはっきりしている」と答えた。結婚歴のある 「30歳以上」の独身男女と、結婚歴のない「30歳以上」独身男女を比べると、「何を望んでいるのかはっきりしている」と答えた割合は、前者が大きく上回っていた。年齢別に見ると、男性は30代になると、結婚相手や結婚の位置付けがはっきりしている割合が高くなるのに対して、女性は35歳以降によりはっきりするようになっている。
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