2024年11月25日( 月 )

日本の常識は世界の非常識 世界を股にかけた夢の総決算を

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DEVNET INTERNATIONAL
世界総裁 明川 文保 氏

持続可能な社会の実現に取り組む

DEVNET INTERNATIONAL 世界総裁 明川 文保 氏
DEVNET INTERNATIONAL
世界総裁 明川 文保 氏

    SDGsが提唱される前から、世界の人々の生活水準の向上、幸福感の増進に取り組んできた組織がある。1985年にイタリア・ローマで創設されたDEVNET INTERNATIONAL(以下、DEVNET)だ。発展途上国および先進国と途上国間の交流、経済協力を推進することを目的とした、世界規模の技術、経済および貿易のグローバル情報ネットワーク・システムであり、中小企業および地場産業レベルで実施するための情報インフラプラットフォームとして誕生した。世界166カ国、約150万社が利用している。初代総裁はロベルト・サビオ氏(ローマの通信社Inter Press Service総裁、ガリ国連事務総長の秘書室長などを歴任)。国連に関係するNGOは世界で約5,600あるが、DEVENTは国連の主要機関の1つである経済社会理事会(ECOSOC)のカテゴリー1(138団体、現在のGeneral Consultative Status)に認定されており、国連のなかで上位に位置するNGOとなっている。

 DEVNETは、国連開発計画(UNDP)や国連環境計画(UNEP)、国連食糧農業機関(FAO)などの国連機関と連携しながら、(1)貧困削減、(2)食料増産、(3)女性の地位向上、(4)省エネルギーと先端技術導入、(5)人道支援、(6)環境の保護・維持・改善、(7)都市の持続的発展、の7つを主な活動の柱として活動している。SDGsについて、DEVNET世界総裁の明川文保氏は、DEVNETこそは早くからSDGsに相当する活動を幅広く行ってきた唯一の国連関連組織であると自負している。

国連での日本の地位向上を

 明川氏は戦前の日本の国際連盟からの脱退などの歴史を学び、早くから国連に興味を抱き、実際に関わってきた。転機となったのは2010年のDEVNET創設者サビオ氏との出会いだ。サビオ氏からDEVNETアジア地域本部(中国、マカオ、香港、台湾を除く)としての役割を日本に任せたいとの打診を受けたのだ。2013年に日本支局としての認定を受け、(一財)DEVNET TOKYOを設立した。明川氏は19年、それまでの貢献および資金提供の実績などがサビオ氏らに評価され、DEVNET世界総裁に推薦され、就任した。ただ、明川氏は以前から理事に就任するとより責任と影響力のある立場で活動することを望んできたが、第二次世界大戦の敗戦国出身という理由で拒まれてきた。終戦から半世紀以上経過してなお残る国連の「敵国条項」、関連の国家がすべて国連に加盟し、形骸化しているといわれるが、このようなかたちで影響をおよぼしていたのだ。小泉純一郎政権時の2005年、国連設立60周年に際し、当時の町村信孝外相らはドイツ、ブラジル、インドとG4を結成し、この4カ国の常任理事国入りなどを含む安保理改革を提唱したが、失敗に終わった。当時の国連の事情を知る明川氏は、日本のみの常任理事国入りであれば実現の可能性がより高いという感触を得ており、日本の国連での地位向上の千載一遇の機会を逸したと当時を振り返る。

 世界総裁に就任後、明川氏は持ち前の行動力をいかし、世界本部の日本への移転、国内での諸手続きなどを迅速に済ませる。外務省からは順調に進んでも数年から10年の時間を必要とすると言われたが、数カ月で実現させた。DEVNETは国連のNGOのなかで、特例として、事業や融資を行うことおよび寄付金を受けとることが認められ、かつ納税の義務がない唯一の組織として認証されている。このことからは、これまで積み重ねてきた実績とそれによる信頼および今後の取り組みへの期待をうかがわせる。

世紀の大型プロジェクトを

 今後の取り組みについて、従来行ってきた7つの柱を中心とする取り組みを引き続きしっかりと行うとしている。明川氏およびDEVENTは現在、数十年に一度あるかないかの大型プロジェクトを進めている。タイ王国南部にスエズ運河、パナマ運河のような国際的な物流・経済の大動脈を建設しようという「タイ運河総合開発計画」だ。実現すれば、太平洋とインド洋が直接結ばれ、マラッカ海峡に代わるより短縮されたルートが誕生する。この大型プロジェクトは、すでにタイ国王・ラーマ10世の認可を受けて進行中だ。詳細についてはタナワン氏(タイ国はウクライナ終戦後、復興に全力を尽くす)の記事をご覧いただきたい。

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 この運河建設は流域地域のみならず、アジア太平洋地域の経済社会の発展に大きく寄与するであろう。サビオ氏は「インド・太平洋構想」を途上国間の技術的・経済的協力の1つに意義づけ、取り組んでおり、明川氏にとっても集大成、総決算といえる取り組みだ。建設に投じられる費用も莫大であるが、すでにその資金の調達先も確保している。明川氏は「この開発は資本主義、社会主義といった経済体制の違いを超えて実現され、世界平和に大きく貢献できる。この経済効果により、コロナ禍後に待ち受ける世界大恐慌をも乗り越えられる」と胸を張って語る。

【茅野 雅弘】


<INFORMATION>
代 表:明川 文保
所在地:東京都港区新橋6-4-3
設 立:2013年3月
TEL:03-5733-5895
URL:https://devnettokyo.jp


<プロフィール>
明川 文保
(あけがわ・ふみやす)
山口県生まれ。DEVNET INTERNATIONAL 世界総裁、(一財)DEVNET JAPAN代表理事、東久邇宮国際文化褒賞記念会代表理事。1973年日本初の冷凍冷蔵庫・普通倉庫を備えた3温度対応の総合流通センターを開設するなどコールドチェーン物流を手がける。岸信介元首相後援会青年部会長、安倍晋太郎衆議院議員私設特別秘書、九州・山口経済連合会(現・九州経済連合会)の国際交流委員・運輸通信委員・農林水産委員、山口大学経済学部校外講師などを歴任。2013年DEVNET Tokyo設立、代表理事就任。

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