2024年11月22日( 金 )

【福岡市長選】王者への挑戦(3)選挙の争点は

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福岡市 イメージ    元福岡市議会議員・田中慎介氏(44)が、11月20日投開票予定の福岡市長選挙に無所属で出馬すると表明した。

 与党系の現福岡市議会議員に、高島宗一郎現市長が4期目の市長選に出馬した際の争点について聞いた。以下は「あくまでも高島市長が市長選の争点にすると思われる事柄を予測してのもの」と、前置きしたうえでのコメントである。

・出馬した際、高島陣営は、3期にわたる任期中に実行した実績を並べ、選挙に臨むであろう。
・おそらく田中慎介氏は、それを予測して福岡大学経済学部教授の木下敏之氏の著書『データが示す福岡市の不都合な真実』に書かれた内容を引用して、「高島市長が、これまで3期12年間にわたって市民に伝えてきたことと、福岡市の現況が乖離している」と主張して戦いに臨むのではないだろうか。

「天神ビッグバンについて」
(1)開発が進んではいるものの、はたして本社機能の誘致などが計画通りに進むのか。
(2)新しいビルは、当然ながらこれまでよりもテナント料が高くなると予測される。すべての事務所や店舗スペースに借主が入居できるのだろうか。
(3)おそらく住居の賃貸料も高額になる。結果的に天神は、富裕層だけが集まる地区になるのではないか。

 以上の3項目を争点に挙げたうえで、以下の3点も付け加えた。

(4)ウォーターフロント地区を今後どのように発展させようと考えているのか。
(5)生活が不便な地区や、地域の交通対策に関してどう対応していくのか。
(6)幼児教育において、保育にかかる費用等の完全無償化を実行するのか。

 これら予想される争点に対して、田中慎介氏の陣営は、どう対応するのだろうか。

 初めて市長選に出馬する「挑戦者」の田中慎介氏にとって、少々シビアな話にはなるが、高島市長の初当選時の票数と3期目の当選票数を比較すると75,903票も増加している。

 高島市長の当選票数を福岡PayPayドームのキャパシティ(52,500人)に換算してみると、1期目で約4個分、3期目になると約5.4個分となる。ちなみにプロ野球で使用する際のキャパシティは40,178人なので、これを3期目の得票数に換算すると約7.1個分に相当する。

 7月に行われた人気グループ「EXILE」のライブでは約4万3,000人のファンが、直近では台風14号が上陸した9月18日に矢沢永吉の50周年記念ツアーが行われて暴風の中、多くのファンが詰めかけた。

 田中慎介氏はこれまでの15年間に渡る議員活動を通して、「福岡市のあるべき街のイメージ」と「福岡から“新時代”をひらく」との熱い志を抱くようになったという。前述したアーティストが、多くのファンに感動や喜びを与えたのと同じぐらい、田中慎介氏が市民に感動や喜びを与えられるような選挙活動を繰り広げられれば、当選のために必要な得票数の獲得が期待できるだろう。

【岡本 弘一】

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