韓国教団への日本の国富流出の手法を紹介した韓国テレビ局MBCの特集番組
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韓国三大テレビ局の1つ「MBC」が旧統一教会問題を取り上げた特集番組「PD手帳 安倍、銃撃犯そして統一教会」(8月30日放送)を放送した翌31日、ソウル市内のMBC前で大規模な抗議集会が開かれた。「偏った報道」などと書いたプラカードをもった参加者が番組放送に抗議、謝罪を求めたのだが、これに対してMBCは集会終了直後に同じ特集番組を再放送。旧統一教会に対してまったく怯むことなく、報道を続けることを宣言したのだ。
9月1日放送のミヤネ屋は特集番組の内容と抗議集会の模様を紹介すると、有田芳生氏が「『PD手帳』というのはプロデューサーという意味なのです」「非常に信頼されている番組」と切り出し、詳しく解説していった。
「30日に放送されることが分かって、統一教会のなかで『抗議行動をやろう』という指示が出て集会が行われたのです」「MBCのすごいところは、抗議行動が終わったと同時に(PD手帳を)再放送したのです。覚悟があるのです。(ネットのYouTubeで)ぜひ見てください。」
Youtubeで検索すると、<MBC『PD手帳』「安倍、銃撃犯そして統一教会」>というタイトルの動画がヒットし、しかも日本語字幕付きだった。圧巻は、旧統一教会の聖地・清平(チョンピョン)での現地取材と韓国人教団関係の証言。日本人から高額な献金を引き出す手法について、韓国人の教団関係者が次々と暴露していくのだ。
番組は安倍元首相の銃撃事件を追うことから始まる。奈良市内の銃撃事件現場などをたどっていった番組取材班は、山上容疑者の伯父にも取材。「(山上容疑者の母親が韓国に)40日間連続で行っている資料がある」「何十回も行っている」という証言を得た。その一方で韓国の清平での大規模イベント当日の取材も敢行。ソウルを出発したバス車内の映像とともに、「毎年この地を訪れる日本の統一教会信者だけで10万人を超えるとされています。日本からやってきたと見られる人々も目立ちました。この日は統一教会の信者たちにとって大事な儀式が行われる日といいます」という解説が流れた後、バスから降りた統一教会信者(女性)を直撃、次のような発言を引き出していた。
「先祖たちはメシア(文鮮明)に会う前に亡くなった方々じゃないですか。現世でもメシアである文鮮明と韓鶴子総裁のもとでまた先祖の霊同士が結婚しなければならないということです。そうすれば天国に行けます。でも結婚する前に先祖たちの恨みとともに悪霊たちがついているので、それを『解怨(恨みを祓う)』してあげるということです」「ここにこう書いてあります。直系、母系、父の母系、母の母系、四種類あるのですが、1代目から7代目まで70万ウォン(×4)で7×4ですから280万ウォン(約28万円)です。」
気の遠くなる年月を遡りながら献金を募っていく先祖解怨こそ、霊感商法に代わる高額献金を引き出す手法だった。こんな説明が続いた。「最初7代まであった先祖たちの儀式は210代まで増え、現在は430代まで儀式が行われています。1代を30年の基準にしてみれば、12,900年前の先祖まで遡ります。日本の信者の場合は、この儀式のために韓国の信者の10倍以上払って儀式を行う場合があるといいます。」
続いて韓国人教団関係者(元牧師、元責任者、元婦人部長)が登場、日本人信者から高額の献金を引き出す手口について語っていったのだ。まず元牧師はこう切り出した。
「何代までも先祖たちの解恨式をしてあげなければ、あなたたちの子孫たち、またはあなたに問題が生じると。先祖の話を持ち出すと、日本の人々は一番敏感に反応してくれます。俗語だが、『ストローを挿した』んですよ。日本人にストローを挿してずっと吸い取れるんだなと。」
続いて20年前に日本に派遣されたという元責任者も、「布教活動の大部分は献金を取ることだった」と振り返った。「日本にきてから気付いたのは『何だ、これ。牧師ではなく献金の回収人なのか?』と最初に思いました。日本の教会が100箇所あれば、献金順位が1番から100番まで出てしまいます。目標金額が与えられ、何日、40日までに終わらせると指示が出ます。『そうしたら何パーセントまでやりました』と毎日献金の報告が上がるのですよ。」
さらに元統一教会婦人部長もこんな補足説明をしていった。「競争心に火をつけるのです。『どこの教会は勝利した!』 保険会社に貼られているのがあるじゃないですか。それと同じように掲示板に貼られます。献金の回収率が低い教会は顔をあげられません。お金を取ることだけ研究して、魂を救うのではなく、お金をたくさん捧げることがメシアのためだと思わせる教育を毎日受けます。」
旧統一教会側は会見で「2009年以降、当法人は社会的法的に問題として指摘される行為をしないようコンプライアンスの徹底に努めております。財産に比しての高額な献金が行われないよう、徹底した努力を重ね、今日に至っております」と釈明していたが、その内容とは食い違う証言を紹介していったのだ。
最後にナレーションは、こうして集めた献金総額で締め括っていた。「全世界194カ国で信者約300万人にのぼるといわれる巨大宗教法人。統一教会が保有しているソウル・加平一帯の土地の公示価格は確認されたものだけでも2兆6,000億ウォン以上(日本円で約2,600億円)。昨年公示された財団の財産規模は3兆2,000億ウォン(日本円で約3,200億円)にのぼります。」
有田氏が視聴を勧める韓国MBCの特集番組は、日本国民必見の報道番組に違いない。「旧統一教会は宗教団体を自称する詐欺師紛いの集団ではないか」という素朴な疑問が沸き起こり、高額献金規制・被害者救済の新規立法が必要であることが浮き彫りになるからだ。
【ジャーナリスト/横田一】
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