自民市議が語る~提案されなかった「旧統一教会決別決議案」(中)
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11月3日付の西日本新聞1面に、「九州の地方議会 教団巡り温度差 意見書案 福岡、熊本市は否決」という見出しの記事が掲載された。しかし、この記事は重要な話について触れていない。旧統一教会などの反社会的活動を行う団体を念頭においた決議案が存在していたことである。そこで、決議案が提案に至らなかった経緯について、調崇史市議(自民党市議団)に、話を聞いた。
──旧統一教会や霊感商法という文言は、決議案にあったのでしょうか。
調崇史市議(以下、調) 決議案は内容として、議員活動の首をさらに閉めることになるかもしれないという議論をしました。決議案には「反社会的な活動をする団体等」と書いてあるので、そうしたありとあらゆる団体が対象となる、それを議員の総意として確認するというものでした。
旧統一教会だけでなく、あらゆる反社会的なものに我々議員の地位・立場を利用させてはならないということを決議するものでしたので、議員活動の上で拘束される範囲が広がります。旧統一教会に限定すると、そこと関係がなければいいという話になる。起きていることを軽んじるつもりはないのですが、旧統一教会だけではない、同じようにお墨付きを与えてはいけない。
たとえば、マルチ商法の宣伝に政治家は使われてはいけませんし。同じようなことが想定されます。それをひっくるめて全会一致でやりましょうということでした。他会派の考え方については私からは差し控えたいと思います。当事者は議運の理事でしたので、その協議のなかで、どうしてもまとまらないところがありました。この文言を入れてほしい、逆に消してほしいとか。
──提案した共産党市議団がいわれていたのが、意見書に関して自民党は、旧統一教会という言葉を入れること、公明党からは霊感商法という文言を入れることに反対が出たということでしたが・・・。
調 共産党原案について言えば、センセーショナルなことをあげて決議すればいいということではないと思います。議会には品格というものがあり、我々には我々の考え方があります。本質をおさえることが大切で、センセーショナルな感情的な議論ではなく、議員の立場を反社会的なものに利用させてはならないというのが本質です。政治家が関わることの何が本質的な問題であるのかだと思います。
その決議案をベースに議論されましたが、最終的に乗っていただけませんでした。議会の慣習として、全会一致でないと原則上程しないということになっています。
ただ、決議に関しては以前、福岡空港の出資問題で、運営会社であった旧福岡空港ビルディング(株)から出資金64億円の使途について、市長から空港周辺整備や子ども・子育て基金などに充当するという提案がありました。それに対して、自民党を含めて市議会の多くの会派は、新たな空港運営会社に出資すべきではないかという考えでした。全会一致での新空港運営会社への出資決議の可決を努力しましたが、議会運営委員会で採決して、全会一致にはなりませんでしたが、『福岡空港の運営に関する出資についての決議』を賛成多数で可決しました。
そうした例外はありますが、基本的に福岡市議会として意思を示す場合、全会一致原則がございます。今回、我々は最善の努力をしましたが、全会一致の賛同を得られなかったため、取り下げました。そのことが表に出なかったということです。そのことは議運で議論されており、西日本新聞さんもご存じだったはずです。
──旧・統一教会という文言が入らなかったことが、西日本の記事の書き方になったようにも思えますが・・・。
調 そこに関して、旧統一教会との関係性などを隠そうとかそういう意図は我々の会派に関してまったくなかったですね。あの場では絶対なかったですね。
関係していた議員さんは、(メディアのアンケートに対して)ご自身で公表されたと思いますが、あったこと全部公表していると思います。我々の意思決定に団体(旧・統一教会)の思想や政策が、口をはさんだ、反映されたことはみじんもありえないと私は考えております。
(つづく)
【近藤 将勝】
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