溶けて溶けてどこへ行くの? 我々には覚悟はあるか(5)~地元企業ならではの取り組みで、積極的な街づくり・開発への参加を(前)
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(一社)九州住宅産業協会 理事長 諸藤 敏一 氏
福岡県を中心とした九州地方の住宅供給およびその関連事業の企業により、国・地方公共団体の住宅・宅地政策に協力すること。さらに宅地の円滑な需給を図るため、宅地政策を促進し、宅地造成および住宅建設等に関する事業の健全な発展を図り、社会福祉の増進に寄与することを目的とする(一社)九州住宅産業協会(以下、九住協)。諸藤敏一理事長は、同協会での福岡・九州の地域の街づくり・開発へ積極的に参画することを常に提言している。その提言をより具現化するための施策など、今後の同協会の方向性をインタビューした。
続く好況、不動産市場も期待大
──昨年に続き、今年も分譲マンションを中心とした住宅市況は活発が予想されております。福岡・九州地方の市場も同様の動きと見てよろしいでしょうか。
諸藤理事長 経済アナリストの方々の多くは、今年の日経平均株価が20,000円に到達し、超えていくという予想をしております。日本の経済が良好な状態であるということです。
ご存知の通り、分譲マンションを含めた住宅の購買は、平均株価に連動した景気の拡大時に高価・高付加価値の物件の購買意欲が高まります。たとえば、好景気により平均給与や賞与が上昇した場合、車検前の自動車を保有しているなら「新車に買え替えよう」となり、現在居住している住まいのリフォーム・リノベーションを検討しているご家庭なら「リフォームよりも新築のマンションか戸建住宅を買おう」と購入に踏み切る。この状況が、今年も継続されるのではないでしょうか。
よって、分譲マンションを含む住宅市場の動向は、福岡・九州においても引き続き良い状態であると予想されます。一方で住宅市場では、平均的な価格帯の住宅取得が難しい状況となっております。我々は、若年世帯や子育て世帯の住宅取得を支援するとともに、住宅投資の拡大を図る観点からフラット35S、リフォーム融資制度の一層の拡充改善を国に要望しております。
──社会全体の景気動向が好影響となる公算が高いということですね。
諸藤理事長 すでに協会の年頭の挨拶で表明しておりますが、政府は2016年6月に「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針2016 ~600兆円経済への道筋~)を閣議決定し、消費税率10%への引き上げを、2019年10月まで2年半延期すると発表しております。アベノミクスの成果の活用を図りながら、経済成長の構造的な問題への対策など具体的な取り組みを進められており、成長と再配分が好循環を起こすサイクルの実現を期待しているところです。
──昨年は、熊本地震など自然災害と建設における人的な欠陥が露呈した年でした。改めて安全・安心な街づくりが求められますね。
諸藤理事長 昨年は熊本地震、鳥取地震など大きな地震が全国各地で頻繁に起きました。また北海道・東北地方への大型台風の上陸、そして九州地方を中心とした記録的な大雨と、自然災害による甚大な被害が日本列島に大きな爪痕を残しました。さらに築地市場の豊洲への移転問題、博多駅前道路の陥没事故など人的な原因による被害も発生するなど、安全・安心に対する事象がクローズアップされた1年でした。
これらは教訓であり、我々は仕事を遂行するにあたり改めて安全第一を基軸とし、社会貢献・公共の福祉へ貢献し、エンドユーザーの皆さまへ快適な住まいづくりを提供することを実践していく考えです。(つづく)
<プロフィール>
諸藤 敏一(もろふじ・としかず)
1955年6月、福岡市生まれ。九州共立大学経済学部卒業。(株)すまい取締役を経て、92年9月(株)コーセー(現・(株)コーセーアールイー)を設立。2010年4月に(一社)九州住宅建設産業協会の理事長に就任した。趣味は、ゴルフとマリンスポーツ。関連キーワード
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