西日本シティ銀行内部事情、常務が募金強要?(7)
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連載第3回、第4回で見たように、常務執行役員2名による西南学院大学創立100周年記念事業の寄付の「お願い」は、同窓会支部内部の問題にとどまらず、地位を利用した半ば強制という問題が生まれ、銀行のコンプライアンスにも関係する。
2名は「西南学院大学同窓会会員の皆さまへ」と題する文書も出して、寄付を募っていた。常務執行役員自身が取材に対し「やり過ぎた感がある」と語っている。取材のなかで、銀行内のコンプライアンスをめぐって元行員から興味深い証言が得られた。行員への強要と受け取られかねないお願いは、今回に限ったことではないというのだ。
50代の元行員によると、行内での寄付や物品の購入のお願いは日常的に行われていることで、パワーハラスメントも昔は当たり前だったという。
「4、5年前から社会的にパワハラが問題になってきたので、上司も大声を出せなくなった。パワハラだけでなくセクハラも普通だった。銀行に入ってくる女の子は真面目で大人しい子が多く、セクハラをされても結局は泣き寝入りで終わっていた」と、生々しく語った。
ハラスメント問題は、銀行に特定されるわけではないが、閉鎖的な行内であれば表沙汰になりにくい話だ。2007年から男女雇用機会均等法の改正で職場におけるセクシュアルハラスメント防止対策措置が義務化され、企業も対策を練ってきたとは思われるが、銀行内でも何人もの女性が屈辱を味わい陰で泣いてきたかと思われる。
元行員は「昔は当然だったことが、今は受け入れられない。時代の変化でしょう」と話す。常務執行役員2人の人柄について尋ねると、「2人とも人格的に申し分ない方たちです。上からの圧力でもあったのではないでしょうか」と語った。また40代の元行員によると、寄付の要請もあるが、取引先の品物を買ってくれというものが一番多かったという。
「銀行の取引先の物なので、買わないという選択肢は印象が良くない。その点では人事的な制裁があるのかもしれない。ただ、今回の寄付に関しては、常務執行役員からの依頼であり、高い金額設定や記名をする等はやり過ぎた感がある。しかし、あくまでも寄付なので、人事的な制裁はないのではないか」という見方を示した。他にも元行員の声として、「福岡銀行がするから西日本シティ銀行もするという対抗意識での寄付が多かった」「銀行というところは、上からの命令が絶対なので、従わないと人事に影響が出る。行員は成績=人格として判断される。あの人はすごい人、いい人という基準はすべて成績なのだ」といった話が得られた。
(つづく)
【特別取材班】<COMPANY INFORMATION>
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