日本だけ外されている!?アジアの芸能界の流行
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芸能界の「アジアマーケット」は、時折、「日本」だけが外された形で人気の潮流がつくられることがある。「アジア圏トップクラス」の人気と言われる台湾出身の女優・林志玲(リン・チーリン)さんもその一例といえるだろう。林さんは、かつてSMAPの木村拓哉さん主演の「月の恋人」に出演したことで注目を集め知名度が上がったが、それまでは日本を除いた「アジア圏」では圧倒的な人気を誇っており、日本ドラマ出演の際にも「あの美人は誰?」というくらいの認知だった人も多いと言う。
昨年11月、ソラリアプラザのイベントに参加するために林志玲が来福、場内は3~4階まで人が詰めかけるなど多くの人が訪れたが、それでも、ある台湾人関係者は「来場者は『アジア文化に詳しい』特別な人しか集まっていない。林志玲さん出席のイベントでこの程度しか集まらないのは、日本人が『いかに林志玲さんを知らないか』『アジア芸能の流行を知らないか』に尽きると思う。中国や韓国で同様のイベントを開催すれば、入場料をとっても『数万人規模』のものになるだろう」と話している。
章子怡(チャンツーイー)さんにも同様のことが言える。章さんはデビュー映画「初恋のきた道」で知られ、その後、ハリウッドに活動の場を移した。日本でも「映画ファン」には知られる存在となっているものの、一般の間ではそこまで知られているわけではない。しかし、中国や韓国などでは、章子怡の名前を知らない人はいないほどの知名度と人気を得ている。
韓国アイドルユニット「スーパージュニア」「ワンダーガールズ」に関しても同様だ。日本向けに活動していたグループではないので、日本人でも「一部の韓流ファン」「数年前までにアジア圏で生活していた人」は知っているが、それ以外の日本人はほとんど知らない。しかし、この2グループは、独特の振り付けのダンスで、日本以外の市場では、老若男女問わず多くの人気を集めた。アメリカのアニメ「スポンジ・ボブ」は、日本でも放映されている。しかし、「海綿宝宝/ハイメンパオパオ」」と中国語で呼ばれる同アニメは、数年前まで、台湾や中国大陸では、日本とは比べ物にならないほどの大人気となり、台湾の夜市などでは、「スポンジ・ボブ」の海賊版映像や、バッグ、グッズなどであふれかえった。
日本以外の国々では流行が「共有」される傾向にある。日本は、その「島国気質」と芸能世界にある「独特の利権」によって、海外の流行文化が流入しにくい。そこが「外される」原因になっているのかもしれない。
【杉本 尚丈】
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