西日本シティ銀行内部事情、常務が募金強要?(9)
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西日本シティ銀行常務執行役員2名による「西南学院大学100周年記念事業」の募金のお願いに関して、取材を担当した特別取材班の記者が座談会を開いた
取引先への協力要請に不満が堆積?
A 西南学院大学の100周年記念事業の現状を調べてみると、寄附金目標額の30億円に対して10パーセント程度しか集まっていないようだ。そこで、大学OBであり西日本シティ銀行常務執行役でもある2人にお願いが来たか、それを知った2人が今後の関係づくりのために自らの判断で動いたか、いずれにせよ、この募金活動に力が入っていたのは間違いない。
B 後者の場合、銀行側が大学側に恩を着せたかったということか。
A 今後も大学側にメインバンクとして利用してもらうにはいいアピールにはなる。
C 大学の同窓会連合会長が、元福岡シティ銀行副頭取というのも、影響したかのか。
A 「同窓会連合会の俺に恥はかかせてくれるなよ」と無言の圧力を感じたかもしれない。
B 常務執行役員は取材に対し「決して強要ではない」と強調した。しかし、その判断は受け手の受け止め方によるところが大きい。一般行員にはプレッシャーになったのか。
A 取引先への協力に関して、上から何らかの形で「お願い」を受けるといったことはこれまでにもあったはずだ。日頃から強要に近いニュアンスがあった可能性がある。それが今回、告発文という形で表に出てきた。
C ただ、これまでは「通常業務の一貫」として誰も批判することがなかった。
A 告発者もさまざまな形で協力要請に応えてきた。しかし、それは本意ではなく、職場における「立場」、仕事上の「都合」を考えての判断だった。不満や鬱憤は職場の雰囲気上吐き出すことができない。そこにきて今回のことがあり、いよいよ耐えられなくなった。
A 職場としての銀行は、上下の風通しの悪さがあるのかもしれない。
B 個人法人を問わず顧客情報の塊のような空間だから、緊張感からくる息苦しさは常にあるだろうが、それとは別の問題が組織にあったということか。組織への世代間格差、人材を巡る問題は続発する恐れ
C 西日本シティ銀行に限らず、企業側の体制づくりが追いついていないのかもしれない。いわゆる「ゆとり世代」「さとり世代」の若い人は、今回のケースに直面した時、今回の告発者のように正面切ってではなくても、必ず自己主張するんじゃないか。黙っているということはまずない。
B 確かに、「組織に忠誠を」という考え方は、もう当たり前ではなくなっている。
A 世代間で組織というものに対する考え方が違ってきて、それが、今回のような「意思疎通の齟齬」を生み出してしまった。
C さらに、企業が生き残りのための成果主義、実力主義、グローバルスタンダードを取り入れた結果、個人主義の考え方が主流になり、組織の言いなりにならない従業員を増やしたのではないか。
A 終身雇用が崩れ、「社員は家族」といった意識を持ちリストラを躊躇する企業も少なくなった。従業員側も「どうして会社のためにここまでしなきゃならないんだ」と考えやすい。
B 組織で働くということに対しての世代間格差、国家間格差、人材をめぐる問題は、今後も続々と現れてくることが予想される。企業経営者はしっかり舵を取る必要がある。(了)
【特別取材班】<COMPANY INFORMATION>
取締役頭取:谷川 浩道
所在地:福岡市博多区博多駅前3丁目1番1号
設 立:1944年12月1日
資本金:857億円
TEL:092-476-1111関連記事
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