2024年11月22日( 金 )

太平水産、第三者破産により倒産(1)

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(有)太平水産

suisan 7月7日、鹿児島市桜島のブリ・ハマチ養殖業大手(有)大平水産が、債権者の鹿児島県信用漁業協同組合連合会により鹿児島地裁へ破産を申し立てられた。負債総額は約20億円。九州沖縄では今年最大の倒産だ。弊社特別取材班は現地へと向かった。

 桜島は平成の大合併により、2004年11月に桜島全島が鹿児島市となった。鹿児島港から約3.5キロ、フェリーで約15分の所にある。いまも小さな噴火を頻繁に繰り返し灰を降らせる桜島だが、目の前に広がる錦江湾は日本百景に選定されており、風光明媚な観光スポットとして有名である。
 (有)太平水産は、港から車で約10分の養殖業者が集う赤生原町にある。1994年5月に(有)重春水産の事業を引き継ぎ設立された。地元ブランド「桜島カンパチ」「桜島ブリ」の養殖を行い、県内有数の水産業者に成長した。99年3月には廃業した同業の株森勝哉水産の事業も継承するなどして、一時期は20億円近い売上高を計上していた。養殖の網のケースを100以上保有する地元大手の業者だった。

 10日午後、現地を訪れると会社は閉鎖されていたが、人影がうかがえた。従業員が養殖魚に給餌に来ていたのだ。同社の経営自体は順調だったが、魚価の低迷と餌代の高騰が重なり大きな痛手となった。事業継承した(株)森勝哉水産の負債が、事業運営を圧迫していたと言われる。

(つづく)
【特別取材班】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:友野 千奈美
所在地:鹿児島市桜島赤生原町177-2
資本金:500万円
売上高:(14/5)5億6,200万円

 

 

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