2024年12月21日( 土 )

西日本シティ銀行本店別館(元福岡シティ銀行本店)を守れ

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 磯崎新と黒川紀章の両ライバルに関しては、建築設計業界の関連以外の方々でもかなり承知されているであろう。磯崎新は1931年7月生まれ、大分市出身、東大卒。黒川紀章は1934年4月生まれ、名古屋市出身、京都大卒である。お互いに丹下健三研究所で学んだ仲である。2人はモダン建築設計を代表するライバル同士となった。
 黒川は1970年大阪万博で名を馳せた(女優・若尾文子との結婚でも有名)。磯崎は大分・北九州地区で有名な作品を設計している。例えば、北九州市立美術館、西日本総合展示場などがある。

 福岡での好対照の例として、黒川は福岡銀行本店(現在の本店営業部。中央区天神2丁目)を設計した。片や磯崎は、福岡シティ銀行本本店(現在、西日本シティ銀行本店。博多区博多駅前3丁目)を設計したのである。
 福岡の有名な建築設計の大家は強調する。「福岡には素晴らしい建築美術が残った。黒川、磯崎両巨頭の対照的な作品が残ったのは凄い財産である。この2つの銀行本店の建築物は残すべきだ」。

 ところが嫌な逆風の噂が流れ始めている。西日本シティ銀行が「元福岡シティ銀行を取り壊す」というものである。
 この大家が憂慮する。「もしそのような取り壊しが実現すれば福岡銀行も元本店を解体して天神最開発のモデルビルに取り換えるであろう」と指摘するのだ。要は【福岡のモダン建築を代表する遺産が消滅する】ということになる。【元福岡シティ銀行の建物に関しては福岡県美術館に転用して家賃を稼いだら】というアイデアも提示されている。核心は西日本シティ銀行の経営陣が軽薄な決断をストップするということである。

福岡銀行本店<

福岡銀行元本店

西日本シティ銀行博多本店別館<

西日本シティ銀行博多本店別館

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