盛り上がりに欠けた「冬季五輪招致合戦」
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中国・北京で2022年冬季五輪開催が決定したのを受け、北京では7月末、「招致成功記念切手」が発行され、記念式典が行われた。切手は、白い雪に覆われた万里の長城がデザイン。中国国内では招致成功を「快挙」と報じ、2008年に夏季五輪が開催されたメインスタジアム「鳥巣(ニャオチャオ)」前でも、大々的な記念式典を開いた。中国中央電視台(CCTV)は全国ニュースで「審査員から各方面で高い支持が得られた」とコメントしている。中国では交通インフラを加速させ、スキーなどの雪上競技の開催地である河北省張家口市までの高速鉄道を2019年までに完成させ、北京からの移動時間を約50分に短縮すると宣言している。
今回の開催都市選考では、オスロ(ノルウェー)やストックホルム(スウェーデン)といったヨーロッパの有力都市が相次いで撤退。結果的に、「開催能力が未知数」とも言える中央アジア・カザフスタンのアルマトイとの一騎打ちになった。アルマトイは原油価格の下落による経済情勢の不透明さや国の信頼度の不足感から惜敗した。
一方で、「立候補都市が少なかった」ということに関して「冬季五輪はもはやビジネス的に厳しいのでは?」といった見方もある。台湾メディア関係者は「夏の五輪に比べ、冬の五輪は注目度が低い。スキーやショートトラック、ホッケーなどは選手の顔が隠れてしまっているので、誰が出場しているのかもよく分からない。フィギュアスケートなどは一定の注目を浴びるが、そもそもフィギュアは『ショー』としての要素を持つもので、『試合』『採点』にはそぐわない」と指摘する。
次回2018年は平昌(韓国)での開催だが、現時点で準備が遅れていて、費用や建設面においての不安感が高まっている。北京の次にあたる2026年冬季五輪には、日本から「札幌」が招致を目指すが、果たして、招致そのものに意味があるのかさえも今後問われるところだ。
【杉本 尚丈】
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