韓国経済ウォッチ~現代自動車にチャイナショック(後)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
中国市場での現代自動車
現代自動車にとって中国は、最大の市場であるだけでなく、かなり成功を収めた市場でもある。
現代自動車は、2002年に北京現代汽車を設立することで、中国市場の攻略を始めた。08年には第2工場を中国に建設し、12年には第3工場を稼働させるほど、順調に成長してきた。生産台数の増加とともに、販売台数も大きく伸びた。中国市場のニーズに合ったモデルを別に開発するなど、現代自動車としては中国市場に並々ならぬ力を入れてきた。販売の拡大を背景に、生産能力をさらに増大するために第4工場の建設、第5工場の建設を予定していた。
しかし、第4工場の建設は、中国政府の許可の遅延があって、一部では中国政府との関係に亀裂が生じたのではないかと懸念する声もあった。
いずれにしても、現在の年間121万台の生産能力を181万台に伸ばそうとしている時期に、販売が急激に減少するような事態が起きて、現代自動車の中国市場の戦略は見直される時期に来ていると専門家は指摘する。現代自動車はこのような販売減少の対策として、中国で販売が順調に伸びているSUV(多目的スポーツ車)の生産を増やし、今年の後半には新型ツーサンなど2モデルを中国市場に投入する予定だ。それと同時に、価格の引き下げも慎重に検討し、中国での販売の巻き返しを図っている。
しかし、他の外国メーカーも価格を下げる動きがあり、激しい戦いになりそうだ。一方、中国ではハイブリッド車と電気自動車などが大きく成長している。まだ自動車市場全体に占めるシェアは0.6%で微々たるものではあるが、去年は240%も成長しており、今後の成長が期待される。中国の環境問題などを考えると、中国政府はこのような環境に優しい自動車を普及するのに積極的にならざるを得ない。
しかし、ハイブリッド車の場合、日本のメーカーが技術的にかなり進んでいて、有利な立場にある。また、電気自動車の場合には、蓄電池の航速距離の問題、充電スタンドの普及の問題があるのが現状である。現代自動車も次世代の自動車の開発に力を入れているが、このような状況のなかで、競争優位性を確保できるかどうかはまだわからない。いずれにせよ、世界最大市場である中国だけに、現代自動車をはじめ、その対策に頭を悩ませている。中国での今後の展開は、世界自動車市場の再編の試金石になりそうだ。
(了)
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