安倍元首相の国賊ぶり~横田一氏新著【読者プレゼント】
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ジャーナリストの横田一氏が昨年末、新著を上梓した。タイトルは『横田一の現場直撃Ⅲ 亡国の国賊・安倍晋三』。以下、横田氏から頂いた新著の紹介文を共有する。
「『安倍さん追悼本』バブル? 事件後刊行相次ぐ」と銘打って2022年12月26日に毎日新聞が報じた通り、銃撃事件後に安倍元首相の追悼本が10点以上も出版され、特設コーナーができた書店もある。しかし中身はマイナス面にほとんど触れない“称賛本”のオンパレード。『安倍晋三MEMORIAL 永久保存版豪華写真集』『ありがとう そしてサヨナラ 安倍晋三元総理』というタイトルにも寒気がするが、副題で「日本を取り戻し世界を導いた稀代の名宰相に捧ぐ」とまで絶賛されると、開いた口が塞がらない。
旧統一教会の広告塔となって韓国教団への国富流出(日本人信者の高額献金)の片棒を担いだ安倍元首相がなぜ、「稀代の名宰相」になってしまうのか。この謎を解くカギこそ、村上誠一郎元大臣の国賊発言にある。「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊して、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に選挙まで手伝わせた。私から言わせれば国賊だ」というアベ政治の弊害(問題点)に対して、称賛本に飛びつく“安倍信者たち”は目を向けず、不都合な真実を切捨てて神格化したいと思っているに違いない。
新著では、村上氏が列挙した安倍元首相の国賊ぶりについて、分野ごとにまとめている。
「旧統一教会に選挙まで手伝わせた」というズブズブの関係を安倍家三代にわたって続け、選挙支援(信者の無償労働提供)の見返りに霊感商法や高額献金を野放しにし、自ら広告塔の役割を買っても出ることで、韓国教団への国富流出する片棒を担いだのは事実だった。
「財政、金融、外交をぼろぼろにし」というのもその通りだった。約十年間にわたる異次元金融緩和を柱とするアベノミクスによって、対ドル円相場は民主党政権時代の70~80円台から140~150円台にまでなった。自国通貨価値が半減する事態を招き、輸入物価高が国民生活を直撃。これも安倍元首相が残した負の遺産だったのだ。
「地球儀を俯瞰する」と称賛された外交でも、「同じ未来を見ている」と厚い信頼関係をアピールしたロシアのプーチン大統領を地元山口県の温泉宿にも招くなど日露経済協力にも力を尽くしたが、北方領土交渉で二島先行返還さえも実現しなかった。トランプ米大統領(当時)との蜜月関係もアピールしたが、初面談早々に頼まれたカジノ法案を成立させ、イージス・アショアなど米国製高額兵器を爆買するなど「米国益ファースト・日本国民二の次」の姿勢が露わになっただけだった。従軍慰安婦問題でも若手議員時代に暴言を吐き、徴用工問題でもこじれて日韓関係は最悪となった。外交政策でも「国賊」と呼ばれても仕方がない国益を毀損する失政の連続だったのだ。
「官僚機構まで壊した」というのも事実。忖度官僚だらけとなってアベ友優遇政治が横行し、森友問題や加計問題や桜を見る会を引き起こし、国会での虚偽発言は百回を超えた。共産党の志位和夫委員長が国葬当日の国会前反対集会で「戦後最悪の安倍政権」と最低点をつけたのは、至極当然のことだったのだ。
数々のマイナス面を水に流し、プラス面だけをことさら称賛するのは書店に溢れる安倍追悼本だけではなく、国葬や県民葬でも同じだった。特定の価値観(人物評価)を押し付ける“大政翼賛会的風潮”に抗して、葬り去られようとする不都合な真実をまとめた。
【ジャーナリスト 横田 一】
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