東京で超高層ビルからノックアウトパンチを浴びる
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「ちゃちなビル」との印象
2月1日、東京から朝一の便(羽田午前6時25分発)で帰福、会社には午前9時ころに出社した。中洲の自社近くから、西側の天神方面を振り向いた。そこに見たのは天神ビジネスセンター(天神再開発ビルの第1号、事業主:福岡地所)。しかし、東京帰り直後の私には「ちゃちなビル」という印象が正直なところだ。仰ぎ見るという表現は、東京駅八重洲口の正面に位置する八重洲セントラルタワーが代表格であろう(三井不動産所有)。竣工して1年足らずである。威風堂々とした構えだ。
その前日、東京駅日本橋口近くの会社を訪問した際に耳にした情報であるが、同社は19階のオフィスを借り切っており、1年間の家賃が3億5,000万円という。この社長が下を見下ろしながら「児玉さん!ほら今解体しているビルの跡地にはアジアで一番、広いビルが建つ。6棟分が解体されるのだ」と説明してくれた。
用件を終えて早速、現場を踏んだ。この会社が最近まで入居していたビルは、テナントをすべて退去させていた。間近に解体が始まる静寂さが充満している。東側に隣接する2棟のビルは、すでに解体現場となっている。後方のビルは横に長い特色がありテナントはすべてもぬけの殻。あと20階前後の黒いビル2棟も同時に解体されるとか。事業主体は三菱地所である。
現場を歩いて歩測した。縦横がおよそ100m・90mと踏んだ。となると平面9,000㎡である。1フロア2,700坪、60階超の超高層ビルが立つと想像すると「これは化け物ビルだ」とひとり言を呟いた。これが再びオフィスの東京駅周辺一極集中の流れを産み出すと確信した。しかし、巨大都市東京といえど、これだけの建設ラッシュでオフィス賃貸事業が行き詰る可能性はないのだろうか。
天神・博多再開発、利を得るのはスーパーゼネコンのみ
秀吉が博多のまちづくりに果たした功績が大きいのは有名な話だ。福岡の次のまちづくりは、第二次世界大戦で米軍の爆撃により焦土と化した後の無からの立ち上げであった。1945年以降、都度都度、場所ごとに都市計画が推進されてきた。ところが今回の再開発事業は別次元の様相を呈している。仰々しい表現をすれば「21世紀、100年の計」となる大事業である。真の国際都市になれるかどうかの試金石といえるだろう(このテーマで近々、セミナーを開催する予定)。
ただ、非常に残念なのは、この今後100年の福岡の在り方を決める建設プロジェクトに地元ゼネコンがほとんど関与できていないことである。情けない限りの現実に直面して地元業者たちは負け犬根性丸出しで指をくわえているという惨状だ。この現実が歯痒くてたまらない!
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