RISKに怯まず未来に挑戦を!~第15回白馬会議報告
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「白馬会議」運営委員会事務局代表
市川 周 氏リーマン・ショックの年に「西のダボス、東の白馬」という遠大な志のもとに始まった「白馬会議」。同会議運営委員会事務局の市川周代表より、昨年11月19~20日に実施された会議についての報告を共有していただいたので掲載する。
なお、データ・マックスの記者も同会議に参加しており、『I・B2023新春特別号』(会員向け発刊)に参加者の視点からのレポートを掲載している。コロナで足踏みを余儀なくされたが、昨秋、3年ぶりに現地開催に漕ぎつけられた。3名のゲスト講師を含め通常参加者数の半分近くに迫る40名が結集し、コロナ後、ウクライナ後を見つめる「白馬会議SEASON 2」に向けて再発進することができた。
今回の白馬では「コロナ・ウクライナ後の日本の未来を問う」をテーマに3人の論客が登壇した。1人目は鈴木一人氏(東京大学公共政策大学院教授)。「平和憲法をもっていても、戦争は向こうからやって来る」と、ロシアのウクライナ侵攻で戦後平和憲法の意味が厳しく問われていると斬りこんだ。
2人目は小黒一正氏(法政大学経済学部教授)。太平洋戦争敗戦直前、日本の政府債務残高対GDP比率は200%を超えたが、平和ニッポンの同比率は265%。元凶は「昔、戦費。今、社会保障費」だとして、診療報酬について年金同様、GDP以下の伸びに留めるマクロ経済スライドを断行すべきとした。
3人目は上田清司氏(参議院議員・前埼玉県知事)。危機のニッポン政治を現場から報告。安倍・菅政権時代、国会には改ざん資料があふれ、閣僚の間では「答弁を差し控える」が横行した。地方財政では霞が関から天下った知事の県が依然赤字を垂れ流していることに言及、日本経済が発展途上国ならぬ衰退途上国化を続けている真因は政治の三流化、劣悪化にあると糾弾した。
そして、小島明氏(政策研究大学院大学理事・元日本経済新聞社論説主幹)が総括。日本人はバブル絶頂期、凹面鏡に映つる肥大した虚像に酔いしれていたが、今は凸面鏡に映るしぼんだ虚像を見ながらRISKの前に怯んでいるとして、「平らな鏡に実像を映し未来の可能性に挑戦せよ」と激を飛ばしてくれた。
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