如何に死に向き合うか(1)ALSの通告
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昨年7月のことである。「コダマさんよ、奥さんの検査を徹底的にしても無駄です。私の長年の勘でいえば、ALSに間違いない。検査しても検査しても、改善できる方策はないのです。ゆっくりと残された時間を過ごされることを考えられた方が賢明です」と、友人である精神内科Aから言い渡された。そのとき、「こいつは鬼のような奴だ」と恨んだ。難病のなかの難病である。妻はスローペースで老化が進んでいった。
このALS(筋委縮性側索硬化症)の典型的な患者は、徳洲会創業者・徳田虎雄氏である。20年間病にあり、身動きも取れずに目の動きで采配を取っていることは周知であろう。筆者の助言者であったある経営者もこの病気に冒され、6年間の闘病生活を経て天に召された。稀有な病気であるが、周囲には結構、実例が多い。今年1月になって検査入院をした。結果、「ALSに間違いない」と診断を下された。「いやー、A医師は名医である」と、恨みから一転、深く尊敬の念を抱くようになった。
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