【観光客増加による明暗(2)】「暇つぶし」を打破
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博多座1Fに「ひつまぶし 和食備長」という飲食店がある。ウナギ料理や豚カツが人気で、近辺の会社員がランチで訪れるなど、そこそこ繁盛してきた。
ところがコロナの来襲で客足が遠のいた。苦しかったので値上げしたことは理解できるが、この値上げが災いしてさらに客が寄り付かなくなり、夜に至っては閑散としていた。そして、周囲から「暇つぶしの店」と陰口を叩かれはじめたのである。
ところが、そうした光景が激変した。結論から先にいうと、我々会社員は入店できなくなった。今月23日のことである。午前11時40分時点で、店の玄関口に30名あまりの観光客が列をつくっている。「あちゃ~!これで5回目の入店お断りだな」としょんぼりした。ただ、どこの店もこんなに繁盛しているのではなく、近くには店じまいしているところもある。
先日、午後7時半ごろ立ち寄ったところ、店内にはすでに18名のお客さんがいた。そのうち12名は観光客だった。40分滞在し、魚の定食と芋焼酎を2杯飲んで2,050円を支払った。その間、8名の新しいお客さんがきた。滞在時間は平均40分で単価は平均2,000円程度だろうか。午後8時半にはオーダーストップしていた。
オーナー夫婦は、てきぱき動き、従業員さんたちも機敏に動くようになってきた。忙しくなってくると動きも見違えるようになる。
女将さんがにっこりして「昨年11月の終わりからこうです。午前11時半ごろからお客さんが増えてきます。午後3時から午後4時に客足が途切れますが、その後、また増えてくるので、ありがたいです。夜の稼ぎがプラスされることはいままでめったにありませんでした」と打ち明けてくれた。なお、週初めの月曜日、火曜日は少し観光客が減るようである。この女将さんだが、客集めに関しては要領を得なかった。「一応、ホームページをつくってはいるのですが、特別力を入れているわけではありません」と語る。
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