改めて感じられた組織力の重要さ~統一選こぼれ話4
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9日に行われた統一地方選挙。福岡市議会議員選挙の取材で、福岡市中央区で立候補していた人物の後援会事務所に足を運び、取材そのものはほぼスムーズに終えることができた。多少時間はかかったが、波乱なく無事当選が決まったためである。
ただ、記者は実のところ、もう1人の候補者の動向についても非常に気をかけていた。同候補は出身学校の後輩であり、陰ながら応援していたのである。
本人はある大物衆議院議員の秘書をしていた人物。既存の政治手法や選挙の在り方に疑問をもち、無党派・無所属で初めての選挙戦に挑んだ。支援者たちは地元の人が中心で、初めて選挙応援を経験する人が多かったという。
いわば素人による手づくりの体制で臨んだわけだが、選挙期間中にはそれなりの手応えを感じていた。立候補者本人が半年以上続けてきた辻立ちの効果もあって、地元駅を中心に認知度もそれなりに高まっていたそうだ。
しかし、現実は残酷。そうした純粋な想いは有権者に十分に届かず、残念ながら、今回は開票そうそうから落選が決定し涙を飲んだ。「木っ端みじん」といって差し支えのない結果であった。
本人もそうだが、おそらく応援していた人たちも、改めて組織力の大切さを思い知らされたのではないだろうか。選挙直後ということもあり、今後どうするのか確認できてはいないが・・・
支持者たちに比較的若い世代の人たちが多いことが、厳しい現実のなかで数少ない救いだったように思われる。
で、話は冒頭に戻る。今回取材した候補者は現職で、事務所内には政党はもちろんさまざまな団体などからの推薦状が貼られていた。つまりは、一定規模の組織力に支えられていた選挙戦だったわけだ。
そんな彼の後援者たちでさえ、開票当初は「もしかしたら危ういのでは」と落ち着かない時間を過ごしていた。そこには、組織としての一体感があり、筆者の後輩立候補者のそれとは大きな隔たりがあったといわざるをえない。
【田中 直輝】
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